西側諸国の犯罪を再読する|イラク占領時代におけるアメリカの犯罪
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イラク占領中の米国の犯罪は、欺瞞的な名目のもとで行われた前代未聞の殺戮と破壊の例となっています。
(last modified 2025-10-01T12:20:53+00:00 )
10月 01, 2025 20:06 Asia/Tokyo
  • イラクにおけるアメリカの犯罪
    イラクにおけるアメリカの犯罪

イラク占領中の米国の犯罪は、欺瞞的な名目のもとで行われた前代未聞の殺戮と破壊の例となっています。

【ParsToday国際】米国によるイラク占領は2003年に始まり、その主な目的は大量破壊兵器の廃棄とテロ対策とされていました。しかし、この軍事作戦は急速に人道的、法的、そして政治的危機へと変貌し、その影響は今日までイラクに残っています。イラク占領中に米国が引き起こした最も重要な犯罪には、以下のものが挙げられます;

1. 民間人大虐殺

2003年に始まったイラク占領において最も物議を醸し、痛ましい出来事の一つは、同国での米軍による民間人の大量虐殺でした。これらの犯罪は人道的観点から壊滅的であるだけでなく、国際法の基本原則に対する明確な違反でもありました。信頼できる報告によれば、イラク占領の最初の3年間(2003年から2005年)で、推定65万5000人が命を落としたとされています。これには、空爆、地上作戦、無差別爆撃、市街戦の犠牲者が含まれ、またこれらの犠牲者の多くは、住宅地で攻撃された民間人でした。さらに、2007年までに犠牲者の総数は約100万人に達しています。「イラク・ボディ・カウント」などの独立系機関の報告によりますと、2023年までにイラクでは20万人以上の民間人が命を落としています。これには、空爆、地上作戦、無差別爆撃、市街戦、そして米国が支援する民兵による行動の犠牲者が含まれます。

最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つ・ランセットなどの情報源は、占領開始から3年間の死者数を65万5000人にも上ると推定しています。豊富な資料にもかかわらず、これらの犯罪の加害者の多くは法的に裁かれることはありませんでした。米国はしばしば「巻き添え被害」や「作戦上の誤り」を理由に責任を回避しており、これは国際機関や国際司法に対する一般の信頼を毀損することとなりました。

犯罪の明白な例

‐イラク中部ファルージャの戦い(2004年):2つの大規模な軍事作戦で数千人の民間人が殺害された。住宅地で白リン弾やクラスター爆弾が使用されたとの報告があり、これは戦争法に明確に違反していた

- 無差別的空爆:結婚式、葬儀、公共の集会などが標的となったケースが多数あった。ある事例では、西部アンバール州で婚礼会場が襲撃され、40人以上が死亡した

2. インフラと公共サービスの破壊

米軍は、発電所、製油所、病院、学校といったイラクの重要施設を攻撃し、インフラに深刻な損害を与えました。これらの行動は、人々の日常生活を混乱させたとともに、同国の復興にも深刻な課題を引き起こしました。複数の報告によれば、イラクはエネルギー部門に約400億ドルを費やしましたが、アメリカがこの分野に対する覇権を掌握していることから、エネルギー状況は依然として危機的な状況にあります。

3. 捕虜に対する拷問と非人道的な扱い

イラク占領時代における大きなスキャンダルの1つは、アブグレイブ刑務所における捕虜への拷問の映像が公開されたことでした。イラク人捕虜は電気ショック、性的暴行、侮辱、睡眠妨害など、身体的および精神的拷問を受けていました。これらの行為は、ジュネーブ条約および国際人権法への明確な違反とみなされています。捕虜の中には、広範囲にわたる拷問に加え、暴行や医療の欠如により死亡した者もいました。刑務所から公開された映像は、世界規模での怒りの波を引き起こしました。

4.難民化と人道危機

イラク占領とそれに続く殺戮や暴力により、数百万人が難民としての避難を余儀なくされました。UNHCR国連難民高等弁務官事務所によれば、2007年までに約200万人がシリアやヨルダンなどの近隣諸国に逃れ、また700万人以上がイラク国内で難民となっています。家族は引き裂かれ、子どもたちは孤児となり、数世代にもわたって人々がこれらの残虐行為による心理的・社会的影響に苦しんでいます。この人道危機こそは、イラクにおける米国の軍事政策の直接的な結果だと言えます。

5. テロ組織の形成と強化

多くのアナリストは、イラクにおける米国の政策がテロ組織の形成と強化の道を開いたと考えています。治安面での空白、政情不安、そして民族的・宗教的弾圧は、過激主義の台頭に好都合な環境を作り出すこととなりました。特に、イスラム国を自称するテロ組織ISISは、バラク・オバマ元米政権下における米国の地域戦略の産物だと言えます。

結論

イラク占領下における米国の犯罪は、国際法の明白な違反であったとともに、イラクとその周辺地域の人々にとって広範な人道的・政治的影響を及ぼしました。民間人の殺害からインフラの破壊、捕虜に対する拷問、そして人道危機の扇動に至るまで、これらの行為はイラク国民の歴史的記憶に深く刻まれており、国際法廷における責任追及が求められています。特に、米国がイラクで引き起こした民間人の殺害は、西アジア現代史における最も暗澹たる章の一つです。これらの犯罪は数十万人の命を奪ったのみならず、その影響は今日に至るまでイラク社会に残存しているのです。

 

 


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