BRICS が世界の食糧安全保障の確保に果たす役割とは?
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世界の食料安全保障の拠点への軌道に乗ったBRICS
世界的な食糧危機が深刻化する中、専門家らは、農産物の生産と輸出に大きく貢献しているBRICS新興経済国グループが、世界の食糧安全保障を確保する上で極めて重要な役割を果たしうると考えています。
食糧危機は世界規模で日々深刻化しており、世界銀行は、2024年には59カ国で9900万人以上が深刻な食糧不足に直面すると報告しています。こうした中で、世界の食糧生産の3分の1以上、農業用肥料生産の40%を占めるBRICS諸国は、世界の食糧安全保障における重要な役割を担う存在として台頭しています。
専門家の間では、BRICS諸国が基本的製品の手頃な価格を確保し、2025年4月に開始されたBRICS穀物取引所を含む新たな貿易メカニズムの構築により、飢餓対策において戦略的な役割を果たせると考えられています。この取引所は、BRICSと南半球の輸出業者と購入者の間で直接取引を行うプラットフォームを提供し、世界の穀物供給の30~40%をカバーすることが期待されています。
【ParsToday国際】メフル通信によりますと、この取り組みの主役はロシア、ブラジル、中国、インドだとされています。1億900万トン以上の食料輸出量を持ち、2030年までに生産量を25%増加させる計画を持つロシア、1660億ドルの輸出量を持つブラジル、そして穀物や戦略物資の生産と輸出に注力する中国とインドは、このプロセスに重要な貢献をしています。
こうした状況ながらも、専門家は「このプログラムの成功には、広範なインフラ、加盟国間の連携、そして公正な競争政策が必要だ」と警告しています。実際にエジプト、エチオピア、イラン、南アフリカといった他のBRICS構成国も、資金、インフラ、そして新たな農業技術を必要としています。
FAO国連食糧農業機関は、より良い生産、より良い栄養、より良い環境、より良い生活という4つの原則を重視しており、アナリストらは、既存の能力と共有された政治的決意を持つBRICSが、世界の食糧体制の再構築において極めて重要な役割を果たせると考えています。

