アジア激動の一週間:歴史的なプサン合意から北朝鮮のミサイル警告まで
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歴史に残るプサン合意から北朝鮮のミサイル実験まで、この1週間のアジアは怒涛の渦に
アジアでは、運命を左右するこの一週間において経済、政治、安全保障上の一連の出来事が起こり、それによりこの地域の二面性が明らかになりました。
この1週間においては、韓国・プサンにおける中国と米国の史上に残る貿易協定から、北朝鮮の巡航ミサイル実験、そして中央アジア諸国による保健分野における新たな取り組みにまで至る重要な重要な出来事が連発し、これらすべてには競争、協力、そして恒久的な平和への希望の兆しが見られました。
【ParsToday国際】このニュースでは、先週のアジアの出来事を振り返っていきます。
プサン合意:米中間の貿易摩擦緩和に向けた重要な一歩
中国の習近平国家主席とドナルド・トランプ米大統領が韓国・プサンにて直接会談し、関税の引き下げと経済協力の拡大に関する新たな合意が成立しました。この合意に基づき、米国による中国製品への輸入関税は47%削減され、その見返りとして中国は希土類元素の輸出制限を撤廃しています。トランプ大統領はこの合意を習主席との「異例の」会談の成果だとし、「この合意は両国間の経済関係に新たな道を開き、高関税の導入を阻止できる」と強調しました。金融市場も即座に好反応を示し、極東アジアの株価指数は上昇しました。専門家は、これらの動きを世界の供給網が比較的平穏な状態に戻った兆候と見ています。
軍事的緊張高まる:北朝鮮はミサイル実験、韓国は衛星打ち上げ
トランプ大統領の朝鮮半島訪問に合わせ、北朝鮮は新型戦略巡航ミサイルの実験に成功したと発表しました。キム・ジョンウン北朝鮮労働党総書記は式典に出席こそしなかったものの、北朝鮮の朝鮮人民軍当局はこの動きを「核抑止力の前進」だとしています。一方、韓国は最新の軍事衛星をアメリカのロケット・ファルコン9に搭載し、米南部フロリダから打ち上げ、地球周回軌道に乗せました。この衛星は、北朝鮮の軍事活動の監視を目的とした韓国政府の監視プロジェクトの一環であり、宇宙における韓国の自立性の向上を目指したものです。
慶州宣言採択:「文化はアジアの新たな成長の原動力」
APECアジア太平洋経済協力の加盟21カ国の首脳らは、韓国・慶州での会合の終了に際し「成長、イノベーション、繁栄」に焦点を当てた「慶州宣言」を採択しました。この宣言では、文化・創造産業が地域経済成長の主要な原動力の一つとして初めて言及され、諸国民間の文化交流に重きが置かれています。
極東アジアにおける外交:対立より対話を重視
マレーシア首都クアラルンプールで開催された第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の首脳会合の後、地域の首脳陣はパレスチナ・ガザからミャンマー、ウクライナに至るまで、世界的な危機の外交的な解決を強調しました。アンワル・イブラヒム・マレーシア首相はこの会合での演説で「交流・協力こそが世界の恒久平和の鍵である」と述べています。
中国、AI国際機関設立を提案
習近平国家主席はAPEC首脳会議において、AI分野における協力と規制調整の円滑化を目的とした「AIの国際機関(Global AI Organization)」の設立を提案しました。習主席はまた「AIは技術支配の道具ではなく、人類にとっての公共の財産となるべきだ」と強調しています。
イスタンブールでアフガンとパキスタンが停戦に合意
アフガニスタンとパキスタンの代表団がカタールとトルコの仲介により、トルコ・イスタンブールで行われた第4回協議において、停戦と協議の継続に合意しました。アフガニスタン・タリバン政権のムジャヒド報道官は、今回の協議を「建設的で実りある」ものだとし、「意見の相違は対話と相互尊重を通じて解決されるべきである」と強調しました。また、トルコ外務省も、この合意を地域の安定に向けた前向きな一歩だとしています。
中央アジアで新たな保健イニシアチブ:「ワン・ヘルス」プログラムの実施
タジキスタンの首都ドゥシャンベで開催された「ワン・ヘルス」地域会合において、中央アジア5カ国は、ヒトと動物に共通する疾病対策での協力に合意しました。国際的な専門家の参加を得て開始されたこのプロジェクトは、地域における保健衛生システムの強化、伝染病の予防、そしてバイオセキュリティの促進を目指すものです。
学術文化外交:イラン科学相がウズベキスタン大統領と会談
中央アジア・ウズベキスタンサマルカンドで開催されたユネスコ総会に際し、イランのホセイン・スィーマーイー科学技術研究大臣は、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領と会談しました。両者はこの会談において科学、文化、技術協力の拡大を強調しています。ミルジヨエフ大統領はイランとの関係発展への意欲を示し、イランのペゼシュキヤーン大統領を「親しい友人であり同胞」だとして、テヘランへの公式訪問の招待を歓迎しました。
BRICS諸国でイランの文化的勢力が拡大:文学がソフト外交の道筋に
文化面では、イランが新たな取り組みとしてBRICS新興経済国グループ諸国の国民的詩人にちなむBRICS文学賞の創設を提案しました。この賞の10名の最終候補には、イラン人作家のマンスール・アリーモラーディ氏が選ばれています。なお、有識者の間では、このことは国際舞台におけるイラン文学の地位が益々高まっていることの表れだと考えられています。

