国連総会で新決議が採択:世界がイスラエルに反対する立場を表明
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国連総会の様子
国連がシオニスト政権イスラエルに対し、ICJ国際司法裁判所の判決の履行を義務付けました。
【ParsToday国際】国連総会はイスラエル政権がガザ停戦に違反したと同時に、同政権に対しガザ地区に関するICJの判決の履行を求める新たな決議を採択しました。
国連総会は12日金曜、イスラエルに対し、ガザ地区への完全な人道的アクセス確立および、ガザ地区住民への食糧、水、医薬品、避難所の提供、国連施設への不可侵性の尊重、加えて国際法上の義務遵守を求める決議を採択しています。
この決議は、イスラエルが「占領政権」として、また国連加盟政権として果たす義務を概説したICJの最近の勧告的意見への回答として採択されました。
ノルウェーと12カ国以上が提案したこの決議は、12カ国が反対、19カ国が棄権したものの、139カ国の支持を得て採択されました。パレスチナ情勢に関する投票前に、ブラステッド・ノルウェー国連常駐代表は、「2024年は過去30年間で最も暴力的な年の一つだった」と警告するとともに、「2025年も同じパターンをたどっており、来年(2026年)にこの傾向が弱まる兆候はほとんどない。特に、被占領下のパレスチナの状況が注目の焦点となっている」と語りました。さらに、「最も大きな代償を払っているのは民間人であり、人道原則の尊重は低下し、人道法の最も基本的な原則が圧迫されている」と述べています。また、国連加盟国が「パレスチナの民間人への不可欠な人道支援の提供に関連する基本的な問題について」透明性を求めてきたことを指摘しました。
しかし、ジェフ・バートゥス米国下院議員は採決前に決議案を拒否して対イスラエル支持を表明し、国連総会とその決議に反対する姿勢を示しました。また「この派手な決議は分裂を招き、平和を妨げるだけだ」と主張し、アメリカがこの決議案に反対票を投じると強調するとともに、他国にも反対票を投じるよう呼びかけています。
しかし、米国代表の一連の主張や工作にもかかわらず、この決議は可決されました。これは、米国の世界的な影響力の明確な低下、そしてシオニスト政権からのかつてないほど圧迫・抑圧されたパレスチナ市民に対する各国の連帯の強化を物語っています。
今月5日、国連総会は、UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関の任務延長、シオニスト入植地への非難、パレスチナ難民の権利支持など、パレスチナを支持する5つの決議を圧倒的多数で採択していました。
国連総会決議はその履行を保証するものではありませんが、パレスチナ難民の権利と国際舞台におけるイスラエルの孤立化を国際社会が支持していることを示しています。
国連総会による最近の決議は、パレスチナ被占領地、特にガザ地区におけるシオニスト政権の行動に対し、国際社会が真剣かつ批判的な立場を取っていることを改めて示した形となりました。加盟国から幅広い支持を得て採択されたこの決議は、シオニスト政権に対し、ガザ地区への援助提供に関するICJの判決の履行および、同地区住民による食料、水、医薬品、避難所へのアクセス保障を義務付けています。この決議文はまた、イスラエル側が支援活動を妨害してはならないこと、そしてパレスチナ民間人を難民化や飢餓の状況に置き続けてはならないことを強調しています。
国連総会による今回の行動は、イスラエル政権に対する国際的な圧力の高まりを示すものと捉えることができます。停戦は成立したとみられるものの、イスラエル側の妨害によりガザ住民が非常に厳しい状況に直面しており、深刻な食糧・医薬品の不足が数多く報告されている状況下でのこのような決議の採択は、パレスチナ市民に対する世界的な連帯を物語っています。また、139の国連加盟国がこの決議を支持したことは、シオニスト政権による占領と抑圧的な政策の非難という幅広い合意を示しています。
政治的観点からも、この決議は特に重要なものです。それは、国連総会は包括的な機関として、国際社会の大多数の声を反映していることによります。総会の決議は拘束力こそ持たないものの、その法的・道義的負担はシオニスト政権への更なる圧力となり得ます。特に、決議文はパレスチナ問題が包括的解決に至るまで国連が責任を負うことを強調しています。これは、パレスチナ問題が依然として国際社会の最重要課題であり、国際社会が同地域における人権侵害について決して沈黙しないことを示すものです。
一方で、この決議はシオニスト政権を支持する国々に明確なメッセージを伝えています。圧倒的多数による可決は、イスラエルの政策が国際舞台でますます孤立化していることを示しており、同政権の旧来的な同盟国の一部でさえ、国際世論の圧力を受けて自らの立場の再考を迫られると思われます。
最後の点として、この決議は法的文書であるとともに、シオニスト政権の行動に対する政治的・同義的立場を示すものでもあると言えます。国際社会は、この行動によって、ガザの被抑圧民に対するシオニスト政権の犯罪行為の終止、民間人の権利尊重、国際機関と協力する必要性を再確認した形となりました。これらの要求の実際的な実施には政治的意思とより大きな圧力が必要ながらも、このような決議の採択は、パレスチナ市民への世界的な支援と占領政策への対峙という道筋における転換点となりえるものです。

