パレスチナ国民の自決権めぐり世界の見解が一致
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国連総会の評決で大半の加盟国がパレスチナ国民の自己決定権に賛成票
国連総会が、パレスチナ国民の自己決定権を認めました。
【ParsToday国際】国連総会は、パレスチナ人の自決権、特に独立したパレスチナ国家を持つ権利を再確認する決議を164票という圧倒的多数で採択しました。ちなみに、反対はわずか8カ国で、9カ国が棄権しています。
「人民の自己決定権」と題されたこの決議は、パレスチナ人が自らの政治的地位を自由に決定し、経済的、社会的、文化的発展を追求する権利をめぐる国連の長年の立場を再確認した形となりました。この決議はまた、国連憲章や国際人権条約を含む関連の国際決議・文書に言及し、自決権が国際法の基本原則であることを確認しています。さらにすべての国、組織、国連専門機関に対し、この権利の速やかな実現に向けパレスチナ国民を支援するよう求めました。さらに、聖地ベイトルモガッダス東エルサレムを含む被占領地パレスチナの統一、一体性、領土保全を尊重する必要性を強調するとともに、国際法と国連決議に基づく公正で恒久的かつ包括的な平和への支持を改めて表明しています。
国連総会によるパレスチナ人の自己決定権の承認は、諸国民の権利を国際的に確認した最も重要なものの一つです。この決定は、国際法の基本原則に基づくだけでなく、パレスチナ人が独立と占領終結を目指して数十年にわたり闘ってきたことを反映しています。
この措置の理由とその結果を理解するには、いくつかの基本的な軸に注目する必要があります。まず、自己決定権の原則は、国連憲章の基本原則の一つです。この原則は、すべての人々が自らの政治的地位を自由に決定し、経済的、社会的、文化的発展の道を選択する権利を有することを定めています。パレスチナの場合、この権利は国際文書で繰り返し強調されてきました。1967年の戦争後の国連安保理決議242号から数々の総会決議に至るまで、パレスチナ領の占領終結および、独立国家パレスチナ成立の必要性は常に強調されてきました。したがって、今回の総会の承認は、同様の法的・政治的伝統の延長線上にあると言えます。
第2に、国際体制におけるパレスチナの特殊な状況に留意する必要があります。パレスチナの人々は数十年にわたり軍事占領と厳しい制約の下で暮らしてきました。大規模な入植地建設、ガザ封鎖、移動制限、そして人権侵害は、国際社会が無関心ではいられない状況を生み出しています。パレスチナ人の自己決定権を肯定することはまさにこの状況への対応であり、最も基本的な権利を奪われた人々に正義を取り戻す試みだと言えます。
第3の点として、国際世論の圧力と国連加盟国の役割が挙げられます。多くの政府、特に南半球諸国とイスラム諸国は、長年にわたりパレスチナ問題を支持してきました。こうした支持は国連総会にも反映され、最終的にパレスチナ人の自己決定権を認める決議の採択につながったのです。実際、この決定は政治的・イデオロギー的境界を越え、人道的原則と正義に基づく幅広い合意の結果に他なりません。
国連総会によるパレスチナ人の自己決定権の承認には、重要な意味合いもあります。
第1に、国際舞台におけるパレスチナの法的・政治的立場が強まることです。国連総会がパレスチナ人の自己決定権を承認すれば、それは国際法上有効な文書として、将来の外交・法的措置の根拠となります。パレスチナはこの承認を根拠として、ICJ国際司法裁判所を含む国際機関に申し立てを行い、自らの主張の正当性を高めることが可能となります。
第2の結果は、シオニスト政権イスラエルとその支持者に対する政治的圧力が生じることです。国連総会決議は拘束力こそ持たないものの、政治的、道義的に大きな重みを持っています。パレスチナ人の自己決定権を肯定することは、イスラエルの占領政策を非難することを意味し、この染料政権に対する外交的、さらには経済的圧力の強化につながる可能性があります。また、イスラエル製品のボイコットといった市民社会運動や世界的なキャンペーンの強化にも発展します。
第3の結果・影響は、和平交渉への影響です。パレスチナ人とシオニスト政権との直接交渉は長年暗礁に乗り上げていますが、自己決定権の肯定は、両当事者を再び交渉の席に着かせるための梃子となりえます。この行動は、国際社会が独立国家パレスチナの樹立に基づく公正な解決を望んでおり、占領状況の無期限の継続を容認していないことを示しています。
4つ目の効果として、パレスチナ人の士気と内部結束が強まることが指摘できます。国際社会が彼らの権利を正式に認めれば、政治的・外交的闘争の継続に向けた希望と動機がさらに高まります。また、この承認は、パレスチナ人集団間の内分裂を軽減する上でも役立ちます。それは、全てのパレスチナ人が最終的には自己決定権の原則に同意していることが理由です。
最後に、国連総会がパレスチナ人の自己決定権を承認したことは、法的にも政治的にも極めて重要であると言うべきです。この行動は、正義と人権の原則に基づくと共に、占領と基本的人権の剥奪が永遠に続いてはならないという明確なメッセージを世界に発信するものです。この権利の実際的な実現への道は依然として前途多難かつ厳しいものの、この承認はパレスチナの人々にとって歴史的正義の実現に向けた重要な一歩だと言えるでしょう。

