アジア経済の変貌:新たなブロック圏分割、技術競争、金融分野の諸問題
https://parstoday.ir/ja/news/world-i131134-アジア経済の変貌_新たなブロック圏分割_技術競争_金融分野の諸問題
アジアが最近、勢力図を再定義しつつあります。日本政府が国産人工知能(AI)の開発に5年間で1兆円規模の支援を計画するほか、中央アジアに進出し、また日本の金利引き上げはインドネシア経済を揺るがし、イランは内発的な安全保障に依拠して、西アジアにおける通商上の主軸となるべく用意を整えています。
(last modified 2025-12-27T12:36:43+00:00 )
12月 27, 2025 16:13 Asia/Tokyo
  • 変貌しつつあるアジア経済
    変貌しつつあるアジア経済

アジアが最近、勢力図を再定義しつつあります。日本政府が国産人工知能(AI)の開発に5年間で1兆円規模の支援を計画するほか、中央アジアに進出し、また日本の金利引き上げはインドネシア経済を揺るがし、イランは内発的な安全保障に依拠して、西アジアにおける通商上の主軸となるべく用意を整えています。

コロナ後の世界では伝統的な結びつきの崩壊により、国際関係は新たな陣営という形で地域的・多国間協力へと移行しつつあります。この新たな枠組みにおいては、内発的な安全保障の独立性が影響力を持つ勢力の重要な特徴と化しており、この能力を備えた限られた地域のみが将来の構造の主要な候補になると考えられます。内発的安全保障に依拠するイランは、西アジアにおいて極めて重要な役割を担っていますが、この地位の実現・確率には、戦略的関係を通じて経済を強化し、地域における第1の貿易相手国となることが必要です。同時に、日本からインドネシアに至るまで、アジアにおける経済発展は技術競争、金融分野での関係の再定義、そして重要な回廊への進出への取り組みを示唆しています。

【ParsTodayイラン国際】このニュース記事では、ここ数日間におけるアジア経済の動向の概要を以下のようにまとめていきます。

日本:AIの飛躍と中央アジアにおける影響力拡大へ

日本経産省は先般において「AI基本計画」を策定し、1兆円(63億ドル)の資金投入を通じて官民連携による世界的なAIハブの実現を目指しています。AIを成長投資の中心に据えたこの5カ年計画は、日本の研究と技術の自立性に特に重点を置いたものとなっています。

一方、日本は初の中央アジアとの首脳会合・「中央アジア+日本」対話(CA+JAD/カジャッド)を開催し、中央アジアにおける経済・地政学的影響力の拡大に向けて大きな一歩を踏み出しました。カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの5カ国の首脳が出席したこの首脳会議では、それぞれの関係国が鉱物資源、エネルギー、輸送、技術分野における協力を強調しています。また、日本は今後5年間で中央アジア向けの3兆円(190億ドル)投資という目標を掲げ、この地域で中国やロシアに対抗する決意を示しました。

インドネシアに対する日本の利上げの影響:金融ショックと依存の再定義

日本銀行が政策金利を30年ぶりの高水準となる0.75%に引き上げたことで、インドネシア経済に懸念の波が押し寄せています。アナリストらは、この利上げが資本の撤収・引き揚げ、インドネシア・ルピアへの圧力、そして同国政府の借入コストの上昇につながる可能性があると警告しています。インドネシアは長年にわたり「円キャリートレード」の恩恵を受けてきましたが、現在、利回り格差が縮小する中で、ポートフォリオ資本の流出とルピア安のリスクが深刻化しています。また、この動きにより中国に対するインドネシアの依存をさらに深める可能性もあります。日本からの直接投資が減少する中、中国は「忍耐強い資本」でその不足分を補おうとしており、これはインドネシアの「自由で活発的」な経済政策の終焉を意味するかもしれません。

イランと西アジアにおける経済ロードマップ:内発的安全保障から通商関係まで

西アジアにおいて、内発的安全保障を有するイランは地域協力のハブとなる可能性を秘めています。この取り組みの具体的な例として、中国の経済高等代表団によるイラン北東部国境・サラフス経済特区訪問が挙げられます。この訪問中には、LONGiをはじめとする中国の大手企業の代表が、太陽光発電とエレクトロニクス分野に対する投資の可能性を調査しました。トルクメニスタンに通じるサラフス国境は、3億5000万人規模の中央アジア市場への玄関口として、資本誘致と地域協力の発展に向けた戦略的機会を創出しています。

ブロック区分化と技術競争の狭間にあるアジア経済アジアの経済

発展は、この地域が新たな協力と競争の形態へと移行しつつあることを示しています。一方では、日本のような国々が、先進技術への投資や中央アジアなどの重要な回廊における影響力拡大を通じて、新たな経済構造における自国の役割を強化しようとしています。他方では、イランのような国々が、内発的な安全保障と経済分野での結びつきを組み合わせることで、地域ブロックにおける中心的な地位を確立しようとしています。

こうした中、日本のような大国による金融政策の転換に伴う金融ショックは、地域の発展途上国に影響を及ぼし、依存関係を再定義する可能性があります。近い将来において決定的な要素となるのは、安全保障上の自立と経済統合の同調、そして脅威を共同協力の機会へと転換させる各国の能力です。アジアは今や、安全保障と経済が表裏一体となる、新たな地域統合モデルの実験場となっているのです。

 

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram Twitter