アジア経済|イラン南東部チャーバハール港経由での対インド貿易の強化/インドがオマーンと経済協定を締結、トランプ関税の回避目的で
-
イラン南東部のチャーバハール港湾
イラン貿易振興機関のネイスィ極東アジア局長が、同国南東部チャーバハール港ルートでの貿易外交の強化および、これまでの伝統によらないインド向け輸出拡大の必要性を強調しました。
【ParsTodayイラン】アブドルサーデ・ネイスィー局長は、テヘランで開催された対インド貿易の機会及び市場模索に関する第2回会合において、イラン・インド経済関係の発展におけるチャーバハール経路の重要性を強調し、「チャーバハール経路には、貿易外交の強化に加えて、市場および展示会に関する問題をより真摯に追求することが必要だ」と語っています。また、2025年度の最初の8か月間でイランのインド向け輸出が8億4400万ドルに達したことに触れ、「世界に対するインドの輸出は2024年に約4420億ドルに達すると見込まれている。チャーバハール経路には、展示会の問題から、国の外交機関の助けにより追求されている貿易外交をめぐる問題まで、課題が山積している。このルートの市場および貿易部門は活性化しており、我々はこの点で経済活動家の支援を必要としている」と述べました。
ユーラシア協定によりイランの貿易収支が18%増加
一方、イラン貿易振興機関・国際通商推進担当のアミール・ローシャン・バクシュ・ガンバリー副部長は、「EAEUユーラシア経済連合との自由貿易協定により、製品全体の87%が無関税で輸出されるようになったことは、イランの貿易収支の増加・発展の好機となっており、その結果として今年のイランの貿易収支は現時点で昨年比で18%増加している」としました。
中国、キルギス、ウズベキスタン、「一帯一路」構想による鉄道新設に向けた財政協定に署名
もう一つのニュースとして、中国、キルギス、ウズベキスタンの3カ国間で鉄道建設資金調達協定が最近締結され、中国がこのプロジェクト実施のため、合弁会社に対し35年にわたり23億ドルを融資することになりました。キルギス領内で全長304キロメートルに及ぶ中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道プロジェクトの実施費用は最大47億ドルと推定されています。このうち、プロジェクト費用の半分の23億ドルは中国からの長期融資の形で、残額は3カ国合弁会社の設立資本金で賄われる予定です。また、当初資金における各国の出資比率は、中国が51%、キルギスが24.5%、ウズベキスタンが24.5%となっています。
パキスタン、アフガン国境閉鎖で45億ドルの経済損失
一方、パキスタンの情報筋は、アフガニスタンとの国境が長期間閉鎖されたことにより、パキスタンの貿易、雇用、産業が危機に瀕しており、貿易活動の停止によりパキスタン経済が45億ドルの損失を被ったことを明らかにしました。この報告によれば、2か月以上にわたるアフガン国境閉鎖により、両国間の重要な貿易ルートが遮断されたということです。パキスタン・アフガン合同商工会議所のジアウルハク・サルハディ上級副会頭と、サルハディ商工会議所の元副会頭マンズール・エラヒ氏は共同声明で、貿易停止によりパキスタン経済にこれまでに45億ドル以上の損失が発生したと発表しました。
アフガンがイランとの貿易拡大を重視
一方、アフガン・タリバン政権のヌールディン・アズィズィ商工相は、同国のテレビ局TOLOニュースのインタビューで、両国間の貿易拡大に向けてイラン当局者と協議中であることを明らかにしました。また、アフガン・イラン間の貿易額が5億ドルに増加したとし、「米国の制裁は、アフガンと近隣諸国との貿易を阻止することはできない」と述べています。
インド、トランプ関税回避に向けオマーンと経済協定を締結
また別の報道によりますと、インドは米国による関税導入後、経済の多様化に加えて西アジアに軸足を移すことを目指し、オマーンと共同経済協定を締結しました。オマーン王国とインドは、両国間の貿易・投資協力の強化および、物品・サービスの流通の円滑化を目的に共同経済協定を締結しています。

