国連が米国の対ベネズエラ軍事行動を国際法弱体化のきっかけと見なした理由とは?
https://parstoday.ir/ja/news/world-i131286-国連が米国の対ベネズエラ軍事行動を国際法弱体化のきっかけと見なした理由とは
国連が、「南米ベネズエラにおける米国の軍事作戦は国際法違反である」と宣言しました。
(last modified 2026-01-07T11:59:03+00:00 )
1月 07, 2026 19:04 Asia/Tokyo
  • ヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官(オーストリア出身)
    ヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官(オーストリア出身)

国連が、「南米ベネズエラにおける米国の軍事作戦は国際法違反である」と宣言しました。

ParsToday国際】ヴォルカー・ターク(Volker Türk)国連人権高等弁務官は、「ベネズエラにおける米軍の軍事作戦は、武力不行使に関する国際法の原則と基盤を揺るがしている」と強調しています。また「X」(旧Twitter)内の自身のアカウントに「各国は領土主張や政治的要求を目的に武力を行使すべきではない」と投稿しました。
さらに、「ベネズエラ社会には復興と回復が必要だ」と強調し、「この国の将来はその国民によって決定されるべきである」と述べています。
アメリカはベネズエラとの緊張が数ヶ月続いた後、現地時間の今月3日朝、ベネズエラに対する大規模軍事侵攻により同国のニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拉致し、裁判のため米国に移送しました。マドゥロ大統領夫妻は今月5日、トランプ政権が提起した訴追について初めてニューヨーク・マンハッタン連邦裁判所に出廷しましたが、容疑を全て否認していましる。なお、マドゥロ大統領夫妻に対する次回の公判は今年317日に予定されています。
米国による今回の軍事行動は国際社会から激しい反発を受けており、多くの国が国際法の原則と国連憲章の尊重の必要性を強調しました。特に、国連安全保障理事会の緊急会合では、各国代表がトランプ米政権によるベネズエラへの軍事攻撃を批判しています。安保理の大半の理事国は、今回のアメリカの行動を国連憲章第2条の明確な違反だとし、「マドゥロ大統領の拉致・押送は国家元首の免責特権への前例のない侵害であり、国際秩序の安定に対する深刻な脅威である」と非難しました。また「武力による政権交代」が常態化することに警鐘を鳴らし、人権、民主主義、組織犯罪に対する真の懸念といえど、国境を越えた軍事行動の法的根拠にはならないことを強調しています。
重要な点は、米国が安保理、特に中南米諸国で広範な支持得られず、米国代表の主張は主に政治的で、攻撃の正当化・合法化を狙ったものであったため、世界中で広範な否定的な反応に遭遇したことにあります。
重要な問題は、国連がベネズエラにおける米国の軍事行動を国際法への重大な脅威と評価したのはなぜか、ということです。国連がこのような立場を取ったのは、この行動が国際秩序の基本原則に違反し、国際法規の妥当性に広範な影響を及ぼすためだと考えられます。
今回違反された第1の原則は、国連憲章第2条に明記されている武力不行使の原則です。この条項は、自衛の場合または安保理の承認を得た場合を除き、国家の領土保全または政治的独立に対する武力の行使を禁じています。米国によるベネズエラへの攻撃は安保理の承認なしに行われたもので、この原則への明確な違反と考えられ、国連はこれを国際法の侵害とみなしています。
違反された第2の原則は、各国の国家主権の尊重です。国際法はこの原則に基づいており、いかなる外国による内政干渉もこれに反するものとなります。米軍のベネズエラ領土に対する侵攻と同国大統領の逮捕・拘束は、国家主権の直接的な侵害です。この行為は、大国が国際法規を無視して他国に自らの意志を強要できることを示しており、国際法制度への信頼を揺るがすものです。
国連は、他国への内政不干渉の原則も重視しています。軍事行動を通じて他国の政治指導者を変更することは、明らかに違法な介入の例です。このような行為は、対象国の国内秩序をかく乱するとともに、他の大国にとって危険な前例となり、国際関係の不安定化をまねきます。国連は、このような傾向がひいては、軍事力が法の支配に取って代わる弱肉強食の時代への逆戻りにつながりかねないと考えています。
一方、米国の今回の行動は安保理の承認なしに行われました。安保理は、国際レベルで武力行使を承認できる唯一の正当な機関とされています。そのため、この機関を無視することは、安保理の立場を弱体化させ、世界の平和と安全の維持における国連の役割を疑問視することになります。このような一方的な行動が繰り返されれば、安保理は事実上機能不全に陥り、集団的体制は大国による個別の決定に取って代わられることになると考えられます。
総括として、国連はベネズエラにおける今回の米国の軍事行動を単なる軍事事件ではなく、国際法の根幹に対する脅威とみなしています。この行動は、武力行使の禁止、国家主権の尊重、不介入といった基本原則に違反し、安保理の立場を弱体化させるものです。したがって、国連は「このような傾向が続けば、国際秩序が著しく不安定化し、各国の共通ルールへの信頼が損なわれる可能性がある」と警告しています

 

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram Twitter