ロシアが警鐘;「あらゆる対イラン挑発行為は壊滅的な結果をまねく」
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相
ロシアが、イランに対するいかなる挑発行為も壊滅的な結果を招くとして警鐘を鳴らしました。
【ParsTodayイラン国際】ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はアメリカに対し、「イランに対するいかなる軍事行動も壊滅的な結果をまねく」として改めて警告しています。ラブロフ外相は9日月曜夜、露国営ノーボスチ通信などが主催する国際有識者会議・ヴァルダイ国際対話クラブ第15回西アジアフォーラムにおいて、「イランに対する軍事的選択肢はいずれの国の安全も保証しない」と述べました。また「イランに対する軍事的選択肢は、既存の問題を悪化させるだけである」とし、ロシアの立場が平和的解決の必要性に基づくものであることを強調しています。
ラブロフ外相はさらに同日、オマーンのバドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ外相との電話会談で、「ロシアとオマーンは、核問題に関するイランと米国の協議が『すべての当事者が受け入れ可能な』合意につながり、地域の安全保障が保証されるようになると信じている」とも表明しました。
ここ数週間、特に西アジア各地における米軍の配備・駐留拡大を受け、ロシアは米国に対し、いかなる対イラン軍事行動も壊滅的な結果を引き起こすとして、断固とした外交上の警告を発しています。ロシア外務省とラブロフ外相が示したこの立場は、武力による米・イラン間の現在の危機の解決に対するロシアの強い反対を強調しており、ロシアの多面的な戦略的利益の枠組みの中で分析することができます。
ロシアがこうした姿勢を示す主な理由は、いくつかの重要な分野から考察することが可能です。第1の理由は、西アジアにおける重要な戦略的パートナーを維持することです。イランは、政治、軍事、経済の同盟国として、地域情勢において重要な役割を果たしており、西側諸国の影響力との対峙において、ロシアの戦略的な奥深さが考慮されています。イランにおけるあらゆる情勢不安は、ロシアが支援する西側への抵抗軸を弱体化させ、力のバランスをロシアにとって不利な方向に変化させると考えられます。国際会議・機関でロシアがイランを外交支援していることやイランとの防衛協力を含む二国間協力は、この観点から分析できます。
第2の理由としては、西アジア地域、ひいては国際社会における新たな安全保障危機の回避が挙げられます。ロシア当局は、軍事的選択肢が既存の問題を解決することはなく逆に深刻化させ、恒久的な安定を破壊する、と明言しています。ロシアは既にウクライナ紛争に巻き込まれており、複雑な勢力が関与する西アジアで新たに本格的な紛争が拡大すれば、ロシアにとって安全保障上・軍事上の大きな負担となることは必至です。
加えて、ロシアは戦争による情勢不安の影響を懸念しています。軍事紛争は西アジア地域全体の不安定化を招き、エネルギー安全保障と貿易回廊を危険にさらしかねません。そのため、ロシアは状況の悪化を防ぐため、オマーンの役割を含め、外交と仲介を重視しています。この点に関して、ラブロフ外相は、イランと米国の間での外交協議の継続および、全ての当事者が受け入れ可能な合意成立の必要性を強調しているのです。
第3の理由としては、ドナルド・トランプ大統領の下でますます顕著になっている米国の勢力拡大と一方的主義に対抗することが挙げられます。ロシアはこれまで、外国によるイランへの内政干渉を強く非難し、「イランの核問題を口実とした米国のいかなる軍事的脅威も容認できない」と主張してきました。これらの警告は、アメリカの覇権主義政策に対抗し、ロシアや中国などの大国と並んで国連における影響力を高める多極的な国際秩序の構築を目指すロシアの総合的なアプローチの一環だと言えます。
最後に、ロシア南部国境の安定維持も、この立場の重要な理由の1つに数えられます。イランにおけるいかなる不安定化現状も、ロシアの直近の外部地域とみなされるコーカサス・中央アジアの安全保障、社会、経済状況に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、ロシアの近隣地域における安定と平和の維持は、ロシアの主要な安全保障上の利益と一致するものです。
これらを総括すると、ロシアが最近、イランに対するアメリカの軍事的挑発の可能性について警告を発していることは、イランをロシアの重要なパートナーとして維持すること、地政学的利益の獲得、複数の危機の同時発生の阻止、米国の影響力を弱めることというロシアの大戦略という枠組みで分析される必要があります。ロシアの立場は、イランの安全保障と安定がロシアの国益と安全保障と密接に結びついているという見方を物語っています。

