トランプ氏による不正対策の約束
アメリカ大統領選挙の共和党候補のトランプ氏が、選挙で勝利した場合には、アメリカ政府内の不正を撲滅すると約束しました。
アボルファトフ解説員
トランプ氏はフロリダ州の支持者に対して、「我々が選挙で勝利すれば、ワシントンに行き、その泥沼を新しいものに入れ替えるだろう」と語りました。この種の発言は、アメリカの有権者の幅広い支持を得ています。ここ数日、民主党候補のクリントン氏の私用メール問題に関する再捜査を受け、二人の候補者の差が狭まってきました。トランプ氏は、アメリカの不正に対する抗議の先頭に立って選挙で勝利しようとしています。
アメリカ人の多くは、この国の政府関係者は不正資金や道徳問題で汚れていると考えています。ここ数年、このような不正の問題が明らかになっています。例えば、大統領候補による選挙資金の支援の枠内での賄賂などが挙げられます。2011年にアメリカ連邦最高裁によってこの支援金の上限が取り払われたことで、事実上、大企業や富裕層が候補者に数億ドルの資金を投じることができます。これに対して、選挙で選ばれた人々は、行政の地位に着くと、支援者に、彼らに有利な法を制定することで恩返しをします。またアメリカでは政治家や選挙候補者は外国からも資金援助を受けています。こうした行動は多くの国で犯罪行為と見なされています。
アメリカの政治構造における不正は、資金の問題に限られません。政治家の道徳的な問題もたびたび報告されています。こうした中、この問題の多くが、政治家の影響力により、責任を問われないままとなっています。
ここ数年、アメリカ社会の根深い不正に対する抗議が拡大しています。例えば、ウォールストリート占拠運動を挙げることができ、これは少数独裁政治、社会の1%による99%の支配に反対するものです。
ここ数年、現在も、アメリカ大統領選挙で、不正対策がアメリカ社会で広がっており、トランプ氏の選挙戦の中心に変わっています。とはいえ、トランプ氏自身、女性問題や税金逃れの問題で非難されています。これにより、彼は不正対策への一般人の要請に便乗することで、選挙で勝利しようとしています。アメリカの有権者の多くは、アメリカの不正対策に向けた昔からの要求を実現する希望をトランプ氏個人の不正問題よりも重要だと見ています。これらの人々は、政府が腐敗した体制の改革を行うことを期待しています。このため、トランプ氏への支持がここ数日上昇しているのです。