トランプ氏による「不法移民追放」
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アメリカの次期大統領に就任するトランプ氏が、選挙での勝利後初めてのテレビインタビューで、不法移民を追放し、メキシコとの国境に壁を建設することを強調しました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
11月 14, 2016 20:20 Asia/Tokyo
  • トランプ氏による「不法移民追放」

アメリカの次期大統領に就任するトランプ氏が、選挙での勝利後初めてのテレビインタビューで、不法移民を追放し、メキシコとの国境に壁を建設することを強調しました。

アボルファトフ解説員

トランプ氏はまず初めに、麻薬密売など犯罪歴のある不法移民300万人を国外に追放すると述べました。トランプ氏はアメリカの不法移民800万人について、「これらの人々はメキシコとの国境に壁を建設し、国境の安全が確保された後、追放される」としました。

トランプ氏はテレビのインタビューで、新たな姿勢を見せようとしました。例えば彼の支持者がイスラム教徒やヒスパニック系を攻撃していることに遺憾の意を表しました。彼は選挙戦での発言について、「もっと穏やかに、政治的に発言すればよかった」としました。トランプ氏はさらに、私用メール問題を巡るクリントン氏への対応、裁判の請求を暗に撤回しました。こうした中、トランプ氏は多くの問題における攻撃的な口調を抑えながらも、依然として不法移民の追放に向けた自らの立場を主張しています。

ラテンアメリカ系の不法移民1100万人以上の存在が、アメリカの政治や経済、社会に多くの影響を及ぼしています。アメリカ人の多数派、とくに南部の州の白人や白人の労働者層、共和・民主のどちらにも属さない中立層はこうした不法移民の存在に強く反対しています。彼らは不法移民は低賃金でアメリカの労働者から職を奪っており、一般に犯罪を犯すことで、国の治安を乱していると考えています。こうした中、ラテンアメリカ系の移民によるアメリカの人口比率やアイデンティティの変更に対して、いわゆるWASP(ワスプ、ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)の価値観を強調するアメリカ人の多くが懸念しています。

とはいえ、アメリカの不法移民への支持、あるいは少なくとも彼らに対する平和的な対応を支持している人もアメリカには多く存在します。最大の支持は、自らも移民出身である市民から示されています。これらの人々は不法移民への市民権、あるいは労働許可の付与の手続きの簡略化を目的にした法の見直しを求めています。さらに、アメリカでは多くの人が、不法移民の安価な労働力がなければ、アメリカの経済、とくに、農業や専門知識の要らないきつい仕事は大きな打撃を受けると考えています。さらに、アメリカから不法移民1100万人が追放されれば家族の結束が揺るぎ、第一にアメリカ国内で生まれた子供たちに被害が及ぶと強調しています。

いずれにせよ、不法移民問題を巡るアメリカの深い亀裂は、トランプ氏の勝利により修復していません。とはいえ、今回の選挙はアメリカの不法移民問題への対応に関する一種の国民投票といえます。これにより、不法移民の追放や国境の壁の建設に関するトランプ氏の公約の実現は、アメリカ国内に経済的、社会的な緊張を生まずに簡単に実現するだろうと見られています。