2月 29, 2016 20:58 Asia/Tokyo
  • 人権理事会と忘れ去られた責任

人権理事会の年次総会が、29日月曜、国連事務総長の出席を持って、スイスのジュネーブで開幕します。

アミーンザーデ解説員

人権理事会の年次総会が開幕する一方で、世界では大規模な人権侵害が行われています。人権侵害の明らかな例の一つがイエメンにおけるサウジアラビアの犯罪であり、それは今も続いています。サウジアラビアの侵略者は最新のイエメン攻撃で、28日日曜、首都サヌアの近くにある地元の市場を空爆しました。この中で数十人が死亡、他数十人が負傷しました。イエメンの人権機関は最近、この11ヶ月のサウジアラビアの侵略から生じた被害の割合を発表しました。この報告では、2015年3月から2016年1月まで、8000人以上がこの攻撃で死亡、このうち236人が子供、752人が女性だったとされています。

国際人権団体アムネスティインターナショナルは、ジュネーブの会議を前に声明を発表し、サウジアラビアへの武器の輸出停止を求めました。アムネスティは、「これらの兵器は、戦争犯罪やその他の人権侵害を行ったり、促したりするために使用されている」としました。2015年には、サウジアラビアに250億ドル以上の兵器が売却されています。これに関して国際協力団体オクスファムはこのように述べています。「イギリスやフランスといった国の政府は、サウジアラビアに世界で最も破壊的な兵器の一部を装備させることで、人間の苦痛を和らげるために作り出された取り決めを弱体化させている。この行為は実際忌み嫌うべきものだ」

その一方で、ヨーロッパでは、地域外の難民数千人が一部のヨーロッパの政府の一方的で不公正な行動により、多くの苦しみや死の危険に直面しています。彼らはヨーロッパが始めた戦争から逃れてきた人々です。

中東でも地域のテログループを作り出し、それを支持しているシオニスト政権イスラエルが日々、パレスチナ人に対する犯罪を拡大しています。世界はイスラエルが人権の大きな侵害者であることを知っていますが、西側の人権擁護機関は、シオニストの犯罪を停止するための措置を講じていません。こうした中、アメリカは核兵器など、各種の兵器により、イスラエルの安全を守ろうとし、こうした政策を何度となく支持しています。

一方、人権擁護を主張しているこの国々はイランを人権侵害で非難しており、イランの人権状況を報告する特別報告者を設定しています。彼らは、イランで麻薬密売人が社会を消滅させるのではないかと懸念しています。こうした中、欧米の人権状況には、グアンタナモ、アブーゴライブの両刑務所における非人道的な行動、差別、ヨーロッパの秘密刑務所における犯罪、さらにカナダの原住民への差別といった問題が含まれています。こうした状況は、西側の人権の主張が単に表面的なもので、自由、民主主義、国民擁護といった欺瞞のスローガンによって行われており、実際に内容が伴っていないことを示しています。

西側は人権を道具として見ています。こうしたダブルスタンダードが存在する限り、人権問題やテロの問題における矛盾はなくならないでしょう。人権理事会の真の責任は今も忘れ去られているのです。

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