トランプ大統領の核合意に対する立場をイランや各国の関係者が批判
イランの政府高官だけでなく、アメリカの同盟国からも、トランプ大統領の核合意に対する立場に批判の声が上がっています。
今月12日、トランプ大統領は、イランに対する包括的な戦略と核合意について、最終的な決定を発表することになっています。
ワシントンポストは、アメリカ政府高官の話として、「トランプ大統領は、イランの核合意の遵守を認めず、その決定を議会に委ねようとしている」と報じました。
こうした中、イランの政府関係者は、アメリカが核合意において取り決めに違反した場合、イランも適切な反応を示すだろうと警告しています。
イランのノウバフト政府報道官は、「トランプ大統領は不安定で愚かな発言を行う人物であり、アメリカも約束を破る国だ」と語りました。
また、「イランはいつでも望んだときに、核合意前の状態に戻る」としました。
イギリスのメイ首相は、10日火曜、トランプ大統領と電話で会談し、イギリスは核合意を遵守すると強調しました。
イギリスのジョンソン外務大臣も、10日、イランのザリーフ外務大臣と電話で会談し、イギリスの核合意遵守の意向を伝えました。
EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、9日月曜、再び、すべての関係国の核合意の支持を強調しました。
また、ドイツのガブリエル外務大臣、および、フランスのルドリアン外務大臣も、この数日、繰り返し、核合意の維持を強調しています。
アメリカ国内でも、上院外交委員会のコーカー委員長が、10日、「トランプ大統領は、無責任な行動によって、アメリカを第三次世界大戦への道に巻き込みかねない」と述べました。
このような批判に対し、トランプ大統領も、イランと世界の国々の核合意の成功の原因になったとして、コーカー委員長を非難しました。
イギリスの新聞、フィナンシャルタイムズは、「アメリカの大統領は、イランの核合意について火遊びを行っている」と報じました。
イランと6カ国の核合意は、2016年1月から実施されていますが、アメリカ政府はこの合意の一員でありながら、常にこの合意の実施において約束に違反しています。