アメリカ大統領の反イランの立場
2015年7月14日、イランの核計画に関する根拠のない疑惑を終わらせるための、数年間にわたる努力の末、国際文書として、核合意が、核協議の関係国とイランの署名により、締結されました。
核合意は現在、崩壊の危機を迎えています。この危機は、世界各国で語られているように、誰の得にもなりません。
数週間の間、メディアの間で物議をかもす報道が行われた後、トランプ政権下にあるアメリカのホワイトハウスは13日金曜、イランと核合意に関する声明を発表しました。
イランのローハーニー大統領は、この発言に反応する中で、テレビの生放送で、トランプ大統領の反イラン的な立場を非難し、アメリカのイランに対する干渉の歴史を振り返るとともに、次のように語りました。
「イランの偉大な国民は、今後において決して大国に屈することなく、独裁者の不当かつ嫌悪の言葉に従うこともない。トランプ大統領の発言は、核合意は彼が大統領選挙時代に考えていたよりも強固だということを示しており、アメリカは今日、核合意とイラン国民に対する陰謀により、いつの時代にも増して孤立している。トランプ大統領は、13日、アメリカが現在、歴史的事実、法的・国際的な体制、そしてヨーロッパの同盟国との、どれほど大きな溝に直面しているかということを示した」
現在、国際社会は、核合意のすべての締結国の相互信頼の証である合意や決定を守るか、あるいは、国際社会の価値や信頼を認めないトランプ大統領の横暴や理不尽に屈するか、という時代の岐路に立たされています。核合意は安保理決議2231によって、国際社会に認められた文書なのです。
イランは声明の中で、イランははじめに核合意から離脱することはないが、核合意におけるイランの権利と利益が尊重されない場合、すべての取り決めを放棄し、何の制約もない形で平和的な核活動を追求していくと強調しました。
イラン国民からすれば、アメリカの敵対行為は目新しいことではありません。アメリカがイスラム体制の原則に反対しているのは、イランが地域におけるアメリカの干渉政策や拡張主義の障害となっているからです。トランプ大統領も、過去と同じ過ちの道を進み続けていますが、現在、イランは人々の支持と国内の能力により、最も力強くなっているという点は異なっています。
うそと矛盾に満ちた反イランの主張は、トランプ大統領とその政権関係者の行動や思想における混乱を示しており、それは安定の混乱という結果を招き、国際法の混乱につながります。このため、核合意や地域問題、安全保障に関する脅威が出現するのであれば、その根源はアメリカの政策にあり、その行動の結果の責任も、アメリカにあるのです。