IMF専務理事、「貿易戦争に勝者はいない」
3月 19, 2018 19:48 Asia/Tokyo
IMF国際通貨基金のラガルド専務理事が、他国との貿易上の障害を設けることに関して、アメリカに警告しました。
イルナー通信によりますと、ラガルド専務理事は、アルゼンチンの新聞ラ・ナシオンのインタビューで、アメリカのトランプ大統領に対し、貿易戦争では誰も勝者にはならないとして警告しています。
ラガルド専務理事は、G20・先進20カ国地域の財務相・中央銀行総裁による会合に出席するため、アルゼンチン・ブエノスアイレスを訪問しています。
この会合は、20日火曜と21日水曜の2日間にわたって実施されます。
トランプ大統領は今月8日、世界規模での警告を無視し、アメリカに輸入されるアルミニウムと鉄鋼への関税を引き上げる大統領令に調印しました。
この大統領令により、アメリカに輸入される鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の関税が賦課されることになります。
トランプ大統領はまた、NAFTA・北米自由貿易協定における、アメリカの貿易相手国であるカナダとメキシコに関しては、この措置の対象外としています。
アメリカに対する鉄鋼とアルミニウムの主な輸出国であるEU、中国、そしてブラジルは、輸入品への関税を引き上げためのアメリカの全ての措置に対し、対抗措置を講じると表明しています。
フランスのマクロン大統領は今月9日、トランプ大統領との電話会談で、「鉄鋼とアルミニウムへの関税の引き上げは、貿易戦争を誘発する危険をはらんでおり、その全ての関係国が敗者となる」と強調しています。