ニュース解説;産油量の削減緩和で合意したOPEC総会
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オーストリア・ウィーンで22日金曜、OPEC石油輸出国機構の第174回総会が開催されました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
6月 23, 2018 19:38 Asia/Tokyo
  • OPEC石油輸出国機構
    OPEC石油輸出国機構

オーストリア・ウィーンで22日金曜、OPEC石油輸出国機構の第174回総会が開催されました。

この会合の終了に際し、OPEC加盟国は2016年末に取り交わした、日量180万バレルを上限とする産油量の引き下げ合意を遵守すると発表しました。また、その前の2016年11月30日の会合では、この組織全体の産油量を日量3250万バレルに留めることを決定しています。しかし、この合意にも関わらず、OPEC加盟国の一部は、決められた引き下げ枠以上に、産油量を削減しました。

産油量を最も大きく引き下げたのはナイジェリアでした。その次に産油量を大きく引き下げたのは、経済危機により必要な資金源の確保に苦しむベネズエラです。さらにリビアも、相変わらず国内で情勢不安のために石油の生産が不安定であり、また同国東部でこれまでにない厳しい暑さに見舞われていることから、産油量をさらに制限しました。このため、OPEC加盟国の一部は、石油市場が供給不足に瀕しており、産油遼を大幅に引き下げる必要があると強調しました。しかし、イランはこうした主張を受け入れていません。もっとも、一部のペルシャ湾岸諸国とロシアは、産油量の増加による利益を受けた形となっています。

イランのザンゲネ石油大臣は、今回のOPEC総会出席のためにウィーン入りした際、産油量のではなく、取り決めの遵守の度合いを100%に引き上げるべきだとしました。

 

ザンゲネ・イラン石油相

 

22日に成立した合意の第2条には、「OPEC加盟国とそれ以外の産油国は、過去2ヶ月間に、市場への供給を、産油削減枠より100万バレル削減した」とされています。これが意味しているのは、1日当たり180万バレル削減するのではなく、1日あたりの供給量が280万バレル削減されたということです。こうして、今回の声明が出されたことで、今回の会合の開始前から、サウジアラビアがロビー活動を行い、アメリカのトランプ大統領が一部の産油国に対し、原油の値下げを目的とした産油量の引き上げを迫っていた、とする様々な憶測や推測は収束しました。

アメリカでは、ガソリンの価格が過去3年間で最高に達したことを受け、トランプ大統領はOPECに責任を転嫁し、一石二鳥を狙った政策により、石油市場に対する一方的な制裁の影響についてはお茶を濁し、イランを更なる苦境に陥れようと目論んでいます

国際金融情報誌ブルームバーグは次のように報じています。

「アメリカの常軌を逸した要求の原因は、対イラン制裁の復活である」

 

トランプ大統領は先月、ツイッター上で次のように述べました。

「OPECは、人為的な方法により、原油価格を高いままの状態に維持した」

 

OPECのバーキンド事務局長は、これ以前に次のように述べています。

「我々は、サウジアラビア・ジェッダの会合で、トランプ大統領のツイートでのメッセージを受け取った」

 

原油移送プラットフォーム

 

このような状況でのOPECの決定は、次の2つの重要な影響を引き起こしました。1つは、石油市場に対し、OPECが石油の消費に比例した供給を維持することを確約したことです。もう1つは、ウィーンでの定時総会が、OPECがアメリカに依存していないことを最も明白な形で示したことです。もっとも、今回の合意により市場に引き戻される産油量の影響については、予測や断言は不可能と思われます。OPECの以前の合意が、OPECや特にロシアを初めとするOPEC外の産油国の支持や協調によるものであったことから、OPEC外の産油国がどのような決定を下すかについては、今後の状況を見守る必要があります。