視点;スーダンでのクーデター、政治危機は新たな段階へ
スーダンでは、同国バシール大統領に対する政府軍のクーデターを受け、政治的な危機が新たな段階に突入しました。
今回、スーダン軍が電撃的なクーデターによって政権を掌握し、同国政府は正式に軍の管理下におかれました。クーデターを主導したアワド・イブンオウフ元国防相は、暫定軍事評議会のトップを辞任する旨を表明し、現在は後継として、アブドルファタハ・ブルハン中将がトップを引き継いでいます。
スーダンでは、国内の経済問題の悪化に伴い、バシール大統領の政策に抗議する国民のデモが始まっていました。この危機は、民間や社会の自由、民主主義の定着など、各政党や政治団体が介入の度合いを高めるにつれ、激化していました。
スーダンの人々は、数ヶ月にわたりバシール大統領の辞任、移行政権の結成、安全で民主的な条件下での選挙の実施を要求してきました。
この数ヶ月間、バシール大統領は一連の改革の実行を約束し、厳戒態勢を敷いて、恐怖政治や弾圧により国内の抗議行動の収束を試みました。しかし抗議の声が拡大する中で成果を上げるにいたらず、最終的にバシール政権は打倒されたのです。
いずれにせよ、今後しばらくはスーダンの政治的な将来を模索する日々が続くでしょう。スーダンは果たして、国民の意見と票に基づいた政権発足の方向に舵を切るのでしょうか。それとも、軍が再び政権を掌握し、民主主義が欠如したまま、外国勢力にあっさりと経済・政治的に利用される状況を許してしまうのでしょうか。
スーダンの今後の情勢変化を注視することで、このプロセスの流れが明らかになることでしょう。
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