イエメンからスーダンまで:UAEは軍事組織の支援者かつ諸国民の敵
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内戦に巻き込まれた東アフリカ・スーダンが、UAEアラブ首長国連邦の競争と野望の戦場として、金と権力、犯罪が絡み合う場所と化しています。
(last modified 2025-11-05T11:23:53+00:00 )
11月 05, 2025 17:50 Asia/Tokyo
  • 危機に瀕したスーダンはUAEが横行闊歩
    危機に瀕したスーダンはUAEが横行闊歩

内戦に巻き込まれた東アフリカ・スーダンが、UAEアラブ首長国連邦の競争と野望の戦場として、金と権力、犯罪が絡み合う場所と化しています。

スーダンは紅海とサハラ砂漠南縁部、そして北アフリカと中部アフリカを結ぶ交差点という戦略的な位置にあり、貴重な資源、特に金が豊富に埋蔵されています。しかし、この優位性がスーダンにとっての災いとなり、世界中の強欲者らは、内戦阻止ではなく、危機に瀕したこの国で自らの目的を達成しようと戦火に油を注いでいます。こうした中で近年、多くの犯罪の共犯者として何度も名前が挙がっているのがUAEです。

【ParsToday国際】イランのシンクタンク・メルサドは、スーダンで最高潮に達した「UAEの外交的信頼性危機」について調査した報告書を発表しました。この報告書には「近年のUAEの政治姿勢は、『従順な軍事組織の方針』に基づいている。つまり、民主的なプロセスを避け、国民に対し責任を負わないUAEの従順な軍事力に依存しているのだ。かつてエジプトのシシ大統領やLNAリビア国民軍を率いるハリファ・ハフタル将軍を熱心に支持していたこのパターンは、今やスーダンにおけるムハンマド・ハムダン・ダガロ(Muhammad Hamdan Dagalo、別名ヘメティ、スーダンの純軍事組織・RSF即応支援部隊の指導者)への支持という形で繰り返されている」と述べられています。

また、EU欧州連合のシンクタンクはスーダンで発生した人道的大惨事に言及し、同国の人々の苦難の中での国際的な対立についても分析し、「地域的および国際的な対立により、調停活動は複雑化している。欧米に始まりアフリカの角やペルシャ湾岸諸国、そしてトルコやロシアに至るまで、すべてがスーダンに利害関係を持っている。エジプトとサウジアラビアは、スーダンの地理的な位置から、紅海沿岸の安定を国家安全保障上の問題と捉えており、ほぼスーダン軍(SAF)への支援に傾いている」との見解を示しました。

このシンクタンクは論説の随所で、スーダンでの惨劇に関して数々の容疑をかけられているUAEの偽善的な関与・介入を指摘しています。2015年のイエメン戦争中、UAEは自らの軍事作戦を支援するため緊急支援部隊を配備し、同部隊の対外ネットワークを強化したという経歴があります。このため、そしてスーダンの戦略的位置と金資源へのアクセスを確保するため、UAEは他の多くの同盟国とは異なりRSF支援に立ち上がりました。ただし、UAEは金資源へのアクセスと引き換えにRSFに直接支援を提供したという疑惑を否定しています。しかし現実には、UAEの企業にコロンビア人など他国籍の傭兵でさえも募集され、RSFと共に戦闘に参加しているとの報告も出されています。

スーダン紛争は、2023年4月以降の紛争で推定15万人以上が死亡し、1,200万人が避難を余儀なくされたという人道的大惨事であるだけでなく、地域の不安定化の要因にもなっています。この国は1600万人の子どもを含む3000万人以上の人口を抱えながら危機に瀕しており、飢饉、洪水、コレラの流行、そして戦争により、人道支援を切実に必要としています。しかし、この紛争はUAEなどの国々の国際的な野望の舞台となっており、これらの国々は自国の利益のために、防衛手段を持たないスーダンの被抑圧民の苦しみをますます増幅させています。

 

 


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