米最高裁がトランプ関税に違法判決を下した理由とは?
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トランプ米政権が課した貿易関税に対する米最高裁の違法判決は、同政権が掲げる「アメリカ第一主義」の経済政策の柱に深刻な打撃を与えています。
(last modified 2026-02-22T05:24:28+00:00 )
2月 22, 2026 14:19 Asia/Tokyo
  • アメリカのドナルド・トランプ大統領
    アメリカのドナルド・トランプ大統領

トランプ米政権が課した貿易関税に対する米最高裁の違法判決は、同政権が掲げる「アメリカ第一主義」の経済政策の柱に深刻な打撃を与えています。

米国最高裁判所は今月20日、歴史に残る6対3の判決を下し、ドナルド・トランプ大統領による広範な関税措置の大部分を無効としました。これらの関税措置は、主に1977年のIEEPA国際緊急経済権限法に基づいて課されたもので、世界のほぼすべての国からの輸入品に10%の関税を課し、中国、カナダ、メキシコ、EU欧州連合、日本、韓国を含む一部の主要貿易相手国にはより高い関税を課しています。最高裁判所の判決は、IEEPAが大統領に関税を課す権限を与えていないことを明確に宣言した形となりました。また、この判決は、議会が「外国からの極度の脅迫」という枠組みであっても、行政府にこれほど広範な権限を与えたことは一度もないことを示しています。

この司法上の敗北は、第2次トランプ政権において、最高裁の保守派判事とリベラル派判事3名がトランプ氏の大統領令に反対票を投じた数少ない主要事例の1つとなっています。この判決は、「アメリカ第一主義」の経済政策の重要な柱に深刻な打撃を与えました。関税は過去2年間で連邦政府に1300億ドルから2000億ドル以上の歳入をもたらし、その一部は財政赤字の補填、減税、あるいはインフラプロジェクトへの投資に充てられてきました。関税を撤廃すれば、今後10年間で財政赤字が約2兆ドル増加する可能性があると推定されています。

一方、アメリカの消費者はこの期間中、家電製品や電子機器から衣料品や自動車部品に至るまで、輸入品の価格上昇に直面しました。米イェール大学の調査などの報告書によれば、平均的なアメリカ人世帯は年間1800ドルの追加費用を負担しているとされています。トランプ氏の保護主義的な政策を支持する人々にとって重要かつ恐らくは苦い点は、アメリカ国民が――少なくとも消費者レベルでは――高価格の国内産業を支持するよりも、より安価な中国、ベトナム、メキシコ製品を購入することを好んでいる現実でしょう。実際に、第1次トランプ政権における鉄鋼・アルミニウム関税の経験も、同じパターンを示しています。

農業関係者、自動車メーカー、そして国内消費者はコスト上昇に激しく不満を表明しており、農業が特に盛んな多くの州はトランプ大統領の貿易政策に反対の立場をとっています。外交政策の観点から見ると、トランプ大統領が決定した関税に対する最高裁の違法判決により、世界の競争相手に対するアメリカの「ハード・エコノミック・パワー」の構造的な脆弱性が浮き彫りになっています。アメリカ国民は歴史的に、いわゆる「経済的自立」や「国家安全保障」のために、実際の戦時を除き、多額の自己負担の受容を選んできました。この現実は、あらゆる積極的な貿易戦略に深刻な制約を課した格好となっています。トランプ大統領とホワイトハウスは直ちに、他の法的手段を用いて関税の一部復活、すなわち10%の代替関税に署名しました。しかし、このプロセスには時間がかかり、新たな法的・政治的課題に直面する可能性が高いと見られます。

同時に、アメリカの一部の州は徴収された関税と利益の迅速な還元を求めていますが、この要求は行政上および法的に多くの複雑な問題を孕んでいる。結局のところ、最高裁の判決は単なる法的挫折で終わったのではなく、「アメリカ・ファースト」構想の内的矛盾を如実に物語っていると言えるでしょう。米国は世界最強の経済大国ではあるものの、その力は安価な国際供給チェーンに大きく依存しているのが現実です。さらに、間近に迫る米国大統領中間選挙において、トランプ大統領が課した関税を最高裁が棄却したという歴史に残る判決は、選挙戦に少なからず影響を与えると考えられます。このことは結果的に、自由貿易と保護主義をめぐる白熱した議論を巻き起こしかねないとともに、ひいては与党共和党が今回の選挙で敗北する可能性も孕んでいるのです。

 

 


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