米下院が、大統領弾劾訴追案を可決
アメリカ下院が、数週間にわたる調査の後、ついに同国のトランプ大統領の弾劾訴追案を可決しました。
18日水曜、アメリカ下院はトランプ大統領に対する弾劾案を、ウクライナ疑惑関連の職権乱用罪について賛成230票、議会妨害罪について賛成229票で可決しました。
トランプ大統領は、議会で弾劾訴追された大統領としてはアメリカ史上3人目となり、共和党出身の大統領としては初めてです。
今回の弾劾は、下院での訴追に続き上院の弾劾裁判でも審理される必要があります。しかし、共和党派は完全にトランプ大統領を支持しており、共和党派が多数派を占めるアメリカ上院で、弾劾決議とそれに続く罷免に必要な総議席数の3分の2以上の賛成票を得られることはないだろう、と見られています。
民主党がトランプ大統領を罷免に追い込むには、上院で少なくとも共和党から20票の賛成票を獲得する必要があります。下院における弾劾案決議では、共和党議員は一人も賛成票を投じませんでした。
マコネル米共和党上院院内総務は、今回の下院での採決後、「上院での弾劾裁判は、来年1月に実施されるだろう」と語りました。
トランプ大統領は、大統領就任後4年以内に弾劾訴追を受けたアメリカ史上初めての大統領となります。
このため、その結果は来年のアメリカ大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領に決定的な影響をもたらすと見られています。
トランプ大統領の弾劾手続きは、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話でのやり取りが発覚した後に開始されました。
このやり取りを暴露した匿名の人物は、「トランプ大統領は今年7月末、ゼレンスキー大統領との電話での通話において、来年の米大統領選で自らにとっての最大の政敵となりうるジョー・バイデン候補の司法調査を依頼した」としています。
トランプ大統領はこの中で、ウクライナに巨額の軍事支援を行うのに、バイデン候補とその息子に関する司法調査の実施を条件にしたとされています。
この問題のやり取りが発覚した後、アメリカ民主党のペロシ下院議長の指示により、アメリカ下院でのトランプ大統領弾劾調査が開始されました。
民主党派は、これまでのトランプ大統領の行動がアメリカ合衆国憲法に大きく違反している、と考えています。
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