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日増しに高まる米ドル依存からの脱却
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日増しに高まる米ドル依存からの脱却
ラブロフ・ロシア外相が、「アメリカの制裁を受けている国のみならず、ヨーロッパ諸国も米国によるドル悪用を理由に、米ドル依存からの脱却の機会をうかがい始めている」と語りました。
ラブロフ外相は25日金曜、「自国通貨に重きを置いた貿易と投資の決済メカニズムへの関心をより高めているのはロシア、中国、イラン、および上海協力機構のメンバーだけではない」と語りました。ヨーロッパでも現在、特にユーロの非常に有利な立場に注目し、ドル依存からの脱却方法が思案されています。
ラブロフ外相のこの発言は、以下に上げる2つの事実に注目してなされたものです。まず、第1の事実とは、国際貿易における世界の外貨備蓄の1つとしてのドルの割合が低下の一途をたどっていることです。IMF国際通貨基金の複数のデータによりますと、今年の第3四半期における世界の外貨備蓄に占める米ドルの割合が、再び減少していることが分かっています。IMFの報告では、同時期における世界の外貨備蓄全体に占める米ドルの割合が、今年の第2四半期の61.2%から60.4%に低下しています。
第2の事実としては、米国が、特に反米的な諸国や自身のライバル国をなどといった他の諸国に対し、経済的、貿易的および財政的な圧力行使に、これ以上ドルを手段として利用することを防ぐべきだとして、世界的な見解が一致していることが指摘できます。
英イングランド銀行・BOE中央銀行のカーニー前総裁は、世界の金融システムではドルが優位であることから、アメリカの低成長や低金利による弊害を受けやすい国が増加している、と語っています。
米国はこれまでに何度も、自国の思惑に合わない政策や行動の阻止あるいは、自国の思惑に他国を追従させるための手段として、企業や銀行の米ドル依存を繰り返し悪用してきました。特に、2つの大国としての中国とロシアが近年、この問題に直面しています。2018年以降アメリカと中国との間で貿易戦争が勃発し、また制裁や特定の法案という形で、大規模な対ロシア制裁および、特にドルを初めとする金融手段を行使しての中国への圧力行使がさらに強まったことに注目し、中国とロシアは効果的な策を講じて、経済や金融部門における米ドルへの依存を減らすべきだ、という結論に達しました。もっとも、イラン、ベネズエラ、トルコなどの国に対する米国の制裁により、これらの国々も同様の立場をとっています。その例として、トルコのエルドアン大統領は最近、「イスラム諸国は、対外貿易取引での米ドルへの依存を減らすべきだ」と表明しました。エルドアン大統領は、これらの国が外貨ではなく自国の通貨により対外貿易を行うべきだと考えています。
米国のアプローチに注目し、世界では現在、アメリカの政策と行動への対抗網の形成と、支配的な国際通貨としてのドルを排除するための継続的な努力が目に見える形で表れてきています。アメリカの敵対的な行動の影響を減らすために、かなりの数の国がドルに依存しない決済システムを確立し、貿易からドルを除外し、他の通貨または自国の通貨を使用しようと努めるようになってきているのです。
もう1つの重要な点は、ドルを悪用してのアメリカによる他国への攻撃です。しかし、これは短期的にはアメリカの目標を達成する可能性があるものの、この政策に長期間拘泥することは、最終的には米国に損害を与えることになると言えるでしょう。
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