視点
「トランプ氏よ、罠に気を付けろ ...」
地域への米国の介入と冒険が失敗したことを受け、トランプ米大統領は、「我が国はこの地域で7兆ドルを費やしたが、何の役にも立たなかった」と発表しました。
トランプ大統領は現在も、過去4年間同じ間違った道を歩み続け、大統領としての残り少ない日々にもこれまでの誤った道の踏襲に拘泥しています。
この地域での最近の米国の一連の挑発行動に反応して、イランのザリーフ外相はツイッター上での発言の中で、イランとして米国との戦争を望んでいないと強調し、「トランプ政権とその協力者は、米国内で新型コロナウイルスと戦う代わりに、我々の地域にB-52爆撃機と艦隊を派遣するために数十億ドルを浪費している」としました。
さらにザリーフ外相は2日土曜、ツイッターに「間もなく任期を終えようとしているトランプ米大統領を、でっち上げた口実により戦争へ引き込むために、イスラエルの扇動者たちが現在、米国に攻撃をしかける陰謀を企んでいる最中だという、イラクからの新しい情報を受けた」と投稿しました。
そしてトランプ氏に向けた形で、「トランプ氏よ、罠に気を付けろ。いかなる火遊びにも、深刻な報復が伴う。特にあの、あなたの親友たちに対しては」としました。
イランの国連代表部も、国連安保理と国連事務総長へ宛てた書簡の中で、ペルシャ湾及びオマーン海上空での米国爆撃機の飛行は扇動的であるとし、「米国の行動は戦闘的で好戦的であり、この一触即発の地域のすでに緊張した治安状況をさらに悪化させるものである」としました。
ペンタゴン米国防総省は昨年12月31日に、ニミッツの航空機運搬艦を米国に帰還させると発表しましたが、それでも、ホワイトハウス、シオニスト政権イスラエル、サウジアラビアの行動の直接の結果であるこの地域の緊張の高まりは、この問題の重要性とその影響を二つの側面から浮き彫りにしています。
第1の側面として、これらの動きの破壊的影響は、地域に降りかかるといえます。手がかりや証拠は、米国とホワイトハウスに同調する地域の手先の狙いが、イランと米国の間に直接の対立を生み出し、地域を後戻りできないような緊張状態に追いやることに焦点を当てて、危機の次元を拡大させるところにあることを示しており、この場合、米国とその地域の親友、特にシオニスト政権イスラエルにとっては戦争の結果は予測不能です。
この緊張の結果の第2の側面としては、この地域とイランに対するアメリカの冒険の直接費用確実に高額化することが指摘できます。
元外交官で政治アナリストのガーセム・モヘバリー氏は、この動きの狙いについて評価し、「シオニスト政権、サウジアラビア、そしてポンペオ米国務長官といったトランプ米政権の一部の人物らは、この地域に新たな危機や緊張、紛争を引き起こすことに関心を持っている」と述べています。
いずれにせよ、イランはこれまで地域での一切の緊張や対立を望んでおらず、現在でも望んでいません。しかし、常にあらゆる侵略に対抗する、備え、堅固さ、強さを備えています。イランの武装軍は、これらの動きに応えて、あらゆる冒険、嫌がらせ、挑発行動は決定的な反応につながり、その結果は米国といった敵対勢力が味わうことになるだろうと述べています。
イランが近隣諸国と最良の関係を築こうとしていることは明らかです。過去の経験によれば、信頼と善意を伴う、悪意ある一切の行動から乖離した関係は、結果として地域の集団的利益の維持と永続的な安全と安定をもたらすことが分かっています。しかし、紛争は結果としてこの地域の緊張を高め、その影響は長期的なものです。そしてこれは干渉者、地域外の国、そして日和見主義者にのみ利益をもたらすものなのです。
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