米下院が、「反乱を扇動」として2回目のトランプ大統領弾劾決議 任期中2回は史上初
米下院は13日、先週の連邦議会議事堂での暴動で「反乱の扇動」を行ったとして、トランプ大統領の弾劾訴追決議案を賛成多数で可決しました。
米CNNによりますと、 トランプ氏の弾劾訴追は2回目で、大統領として2度弾劾訴追されるのは史上初となります。
決議案は232対197で可決され、野党民主党に加えて与党共和党からも、下院ナンバー3のリズ・チェイニー議員を含め10人が賛成に回りました。大統領の弾劾は、米国史上4回目となります。
ただし、弾劾には上院の裁判を経なければならないため、この訴追によってトランプ大統領が任期中に罷免される事態にはならない見通しです。下院共和党トップのマコネル院内総務は、トランプ氏の上院での弾劾裁判が始まるのはバイデン次期大統領の就任後になると述べていました。
マコネル院内総務は決議案採択後に発表した声明で、弾劾裁判がたとえバイデン次期大統領の就任前に始まったとしても、就任前に終わらせることはできないと指摘し、来週は議会と行政府が「安全な就任と秩序だった政権移行」に専念することを望むとしました。
6日に起きた暴動ではトランプ大統領支持者が暴徒化して連邦議会議事堂になだれ込み、死者が出る事態にまで発展しました。ペンス副大統領や議員らの生命も危険にさらされ、与野党両党でトランプ氏に対する憤りの声が強まっていました。
民主党のペロシ下院議長は採決を前に、「米国大統領がこの暴動を、我が国に対する反乱を扇動した」「彼は辞めさせなければならない。彼は我々全員が愛する国家にとって、今そこにある危機だ」と演説しました。
賛成票を投じた共和党のチェイニー議員は声明の中で、トランプ氏の行為について「暴徒を呼び寄せ、暴徒を集め、この攻撃に火を付けた」「米国大統領によるこれ以上の裏切りはない」と断じていました。
トランプ大統領は13日にビデオメッセージを発表し、2回目の弾劾には言及しないまま、連邦議会に乱入したのは自身の「真の」支持者ではなかったと主張しました。
この中でトランプ大統領は、「暴徒の暴力は私の全ての信念、我々の全ての行動に反している」と述べ、自らの行動が暴動につながった責任を否定し、「私の真の支持者は政治的暴力を支持しない。私の真の支持者が法執行や我々の偉大な米国旗をないがしろにするはずがない」と強調しました。
大統領はまた、フェイスブックやツイッターなどのSNSに相次いで利用を禁止されたことについて、言論の自由に対する「前例のない攻撃」と反発しました。
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