4月 27, 2016 20:37 Asia/Tokyo
  • 南シナ海での米軍の飛行に対する中国の怒り

南シナ海のスカボロー礁の上空をアメリカ軍の戦闘機6機が飛行したことは、中国の怒りを引き起こしました。中国の関係者は、このアメリカの行動に抗議し、それを挑発行為だとしました。

ガッファーリー解説員

中国の国防省が出した声明では、中国政府は、アメリカのこの行動に反対し、これらの戦闘機の飛行は中国の国家安全保障と主権に対する明らかな脅威だとしました。この声明ではまた、スカボロー礁は他の島同様、中国の切り離すことのできない領土の一部だとされています。

中国は声明の中で、南シナ海の領有権の主張を証明するためにアメリカに対して武力に訴えることはないとしながらも、「中国軍は、国境保護や領土保全に向けて必要な措置を講じるだろう」としました。これに対してフィリピンは、この島はスプラトリー諸島に属し、フィリピンの領土だと主張しています。

一方でアメリカは、この地域はどの国の経済的独占のもとにもなく、そのため中国はそこでの貿易航行の自由を認めるべきだ、と述べています。

アメリカはアジアの同盟国を支持する中で、こうした立場をとることで、南シナ海での自らの軍事駐留を正当化する手段を手にしました。実際、中国の経済力はこの国の軍事力と共に、アジアでのアメリカの軍事関係を乱しています。中国は何度となく、アジアでのアメリカの軍事主義的な政策に黙っていない、ということをアメリカに明らかにしてきました。こうした中、中国の最も強力で戦略的な同盟国であるロシアも、欧米の軍事関係を乱そうとしています。ロシアも、NATO北大西洋条約機構の拡大に黙っていることはないでしょう。

明らかに、世界の二大国、つまり中国とロシアの戦略的、軍事的連帯は、中期的に、アメリカの力をつぶす可能性があります。さらにこれらの国の戦略的連帯は、世界各地でのアメリカの勢力を問題に直面させうるものでしょう。このためアメリカは、中国をけん制するためにアジア戦略に集中し、海上で中国が権力を握るのを妨げようとしています。

西側の多くのアナリストによれば、中国は、軍事力ではなく、経済分野で力を得るために国際的な和解を追求しているものの、海や空で軍事的野望を持っていることは明らかだということです。これらの評論家は、中国はこの20年、軍事的基盤の強化、軍の構造改革を追求していると考えています。宇宙船の派遣、ステルス戦闘機の実験、多くの国への兵器の売却、艦艇や潜水艦の強化といったことは、中国の軍事力の形成が、現状と完全に一致した歴史的な必要性であることを物語っています。

アメリカもまた、世界の大国であり、船舶や航空機を自由に航行させる権利を有していますが、ここで、アメリカが常にこの主張を中国に突きつける必要性は何か、という問いが提示されます。

アメリカのブッシュ前大統領は、その当時、「中国は軍事力を有している中で、経済力も成長させている。このため、中国の利益はアメリカの利益と衝突する」と述べました。そして現在オバマ大統領も、先代の方針に従い、中国を近隣諸国の脅威にしようとしているのです。

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