カナダ・先住民族学校から新たに182の墓みつかる
カナダで先住民族の子どもを収容していたカトリック系寄宿学校の跡地から墓標のない墓が相次いで見つかっている問題で、同国の先住民団体は先月30日、3校目の学校から同様の墓が182基見つかったと発表しました。
AFP通信によりますと、カナダ国内では、ローマ教皇に対して先住民学校での虐待に関する謝罪を求める声が上がっています。また同日には、2か所の教会で放火の可能性がある火災も発生しています。
先住民団体ロウアー・クートニー・バンドの発表によると、今回見つかった墓は、西部ブリティッシュコロンビア州クランブルック近くの聖ユージーン・ミッション・スクールで、専門家チームが地中レーダー探査を実施したところ、7~15歳の児童・生徒の遺骨とみられるものが多数見つかったということです。
ブリティッシュコロンビア州では5月にも、カムループス・インディアン・レジデンシャル・スクールの跡地で、墓標のない墓から先住民の子ども215人の遺骨が見つかっています。さらに先週には、中部サスカチワン州の学校でも墓標のない墓が751基発見されました。
また警察によりますと、先月30日にアルバータ州とノバスコシア州の教会で火災が発生しました。捜査当局は、放火の可能性があるとして調べを進めています。カナダでは最近、このほか6か所の教会でも不審火が発生しています。教会の大半は先住民地域に位置しており、赤いペンキで落書きされた施設もあります。
カナダでは、1883年から1996年にかけておよそ15万人の先住民の子どもが家族から強制的に引き離され、カトリック系教会により設立された寄宿学校へ送られ、その大半が校内で身体的・性的虐待を受けていたということです。この問題に関する調査委員会は、4000人以上が病気やネグレクトにより死亡したとし、カナダによる「文化的ジェノサイド(大量虐殺)」であると結論付けています。
カナダのトルドー首相は、今回の集団墓地発見を同国の歴史の「暗く恥ずべき時代」のシンボルと形容しています。
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