WHO・UNICEF、「児童の予防接種遅延が新たな流行の危険もたらす」
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児童の予防接種遅延
WHO世界保健機関とユニセフ国連児童基金が、「新型コロナウイルスのパンデミックにより2020年に予定されていた児童の計画的な予防接種に遅れが生じたことから、本来は予防可能な伝染病が再流行し、社会に危機的状況をもたらす可能性がある」として懸念を示しました。
WHOとUNICEFの最新データでは、2020年は新型コロナウイルスのパンデミックにより世界で2300万人の児童が計画的な予防接種で必要とされる主要なワクチンを接種していません。
これは前年比で370万人ほど多く、中でも約1700万人の児童が過去1年間の間で1度も予防接種を受けてないと推測されており、専門家らの間で懸念を呼んでいます。
WHOとUNICEFが15日木曜に発表した声明によりますと、保健所が新型コロナウイルスへの対応で多忙を極めた結果、東南アジアや東地中海では特に予防接種に遅れが生じているということです。
またWHOの発表では、予防接種が行われなかったことでパキスタンでは麻疹が流行したの他、様々な国や地域でジフテリア、破傷風、百日咳の予防接種に遅れが生じているとされています。
さらに、集団免疫の獲得には95%の水準が必要とされている一方で、予防可能なこうした病気のワクチン接種の水準は86%にまで低下しています。
加えて、成人女性の間で子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルス感染症(HPV)の予防接種は依然として低い水準で推移しており、このパンデミックでさらに遅れが生じました。
その結果、世界全体では160万人の女子が予防接種の機会を逸し、2019年の時点で接種率が15%だったのが、2020年度は13%にまで低下したということです。
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