BRICSが感染症の世界的大流行に対し結託
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BRICS新興経済国グループが疫学的脅威に対抗すべく、感染症のパンデミックと闘うための戦略、技術、ワクチンの開発における幅広い協力を決定しました。
(last modified 2025-10-18T11:18:35+00:00 )
10月 18, 2025 20:17 Asia/Tokyo
  • BRICSが感染症の世界的大流行に対し結託
    BRICSが感染症の世界的大流行に対し結託

BRICS新興経済国グループが疫学的脅威に対抗すべく、感染症のパンデミックと闘うための戦略、技術、ワクチンの開発における幅広い協力を決定しました。

WHO世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は2025年4月、「新たなパンデミックの発生は可能性ではなく、不可避の現実である」と警告するとともに、「ウイルスは国境を越えて、わずか数時間で世界中に広がる可能性があるため、各国は今から備えるべきだ」と強調しています。

【ParsToday国際】BRICSが運営するテレビ局TV BRIVSは「先だっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経験から、いかなる国も単独ではこのような危機を封じ込められないことが明らかになった」と報じました。実際、先のパンデミックによる経済的影響としては生産性の低下、医療システムへの圧力、GDP国際総生産の急落などが挙げられ、IMF国際通貨基金によれば、2020年の世界経済は2.8%縮小したということです。

ブラジル・リオデジャネイロで開催された第17回BRICS首脳会議において、参加国は世界の保健衛生面の安全保障を強化するための国際協力の必要性を強調しました。また、保健衛生上の危機に対処する上でのより強固な連帯と共同メカニズムの構築を求めています。

2018年には南アフリカにより、BRICSワクチン研究開発センター設立という構想が初めて提案され、2022年に実現しました。同センターの発足目的は知識の交換、医療技術の開発、加盟国間でのワクチンの公平な分配の確保となっています。

TV BRICSにおける持続可能な発展と保健外交の専門家、ルイーザ・カルヴェット・コスタ(Luisa Calvett Costa)氏は「現在、BRICS5カ国の研究所がこのセンターで協力し、世界の保健医療の発展に取り組んでいる」と語りました。

BRICS諸国は、それぞれ独自に疾病対策・解決策を開発しています;

中国とインドは、ビッグデータと遠隔医療を活用しています。

ブラジルは、UHCユニバーサル・ヘルス・カバレッジに注力しています。

南アフリカは、ゲノムサーベイランス・感染症発生動向調査の旗手となっています。

イランでも公衆衛生ネットワークが強化され、デジタル検査も活用されています。

BRICS諸国はこれまでに、スプートニクV(ロシア)、コバキシン(インド)、コロナバック(中国)、ブタンバック(ブラジル)、そしてコビラン・バレキャトやラーズィ・コブ・パールス(イラン)のワクチンなど、COVID-19と闘うための複数のワクチンを製造してきました。

しかし、彼らは決して現在だけを見ているわけではなく、結核、デング熱、インフルエンザ、HIVなどの疾患に対する次世代ワクチンの開発に向けた研究プロジェクトも進行中です。インドと中国は、弱毒化したウイルスを使用せずに、病気と闘うための体力を鍛える経鼻投与型のmRNAワクチンを開発しています。

専門家らによれば、BRICS諸国はワクチンの生産・流通において比類のない能力を有しています。例えば、インドだけで世界のワクチンの60%を生産している他、中国は21億回分以上の新型コロナウイルスワクチンを120カ国に出荷しました。さらにロシア、ブラジル、南アフリカもまた、ウイルス学と医薬品の発明において先駆的存在となっています。

近年、エチオピアとロシアでは、保健衛生上の危機への迅速な対応を目的とした合同訓練が実施されました。この訓練では数十カ国の専門家が一堂に会し、緊急事態における実践的な連携の訓練を行っています。

専門家らは、次のパンデミックは全く未知の病原体によって引き起こされる可能性があると警告しています。したがって、予測、監視、迅速対応のための共同システムの構築はBRICS諸国の安全のみならず、全人類の健康の確保にもつながるのです。

 

 


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