イランの軍事力:戦争抑止および、アメリカの覇権衰退の加速要因
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イランの軍事力
アメリカの雑誌「Responsible Statecraft」が、「米国の軍事行動を抑止する最も重要な要因の1つはイランの軍事力及び、アメリカが消耗戦に巻き込まれる可能性であり、これはアメリカ世界的な覇権の衰退を加速させる大きな要素である」との見解を示しました。
イルナー通信によりますと、米国のシンクタンク「クインシー責任ある国家論研究所(Quincy Institute for Responsible Statecraft)」が発行するオンラインの外交・国防ニュースメディア「Responsible Statecraft」は、イラン・米国間の間接交渉のプロセスを検証し、「米国政府内では、軍事的選択肢の限界に対する理解が深まったことで外交的アプローチが強化されてきている」と報じました。
また「アメリカが対イラン軍事行動を思いとどまっている最大の理由は、米国と地域全体を困難で長期的な消耗戦に引きずり込むイランの現実的かつ重大な能力であり、その戦争は『想像を絶する形で』米国の世界的覇権の衰退を加速させる可能性がある」としています。
この分析では「もしトランプ米国大統領が決められた期限内に、そして自らが決めた強度でイランを打ち破れると確信していたなら、軍事力による道を選ぶだろう。しかしながら、現地の現実と地域の勢力バランスは、そのような計算に深刻な疑問を投げかけている」との見方がなされています。
同誌によれば、現在の行き詰まりは今に始まったことではなく、米国が核合意から離脱する以前から十分予測可能だったとされています。さらに、この記事の執筆者の見解では、米前政権を外交へと駆り立てたのと同じ戦略的留意が、今でもアメリカの意思決定に影を落としているということです。
加えてこのメディアは「イランと米国の核協議が決裂すれば地域戦争に発展しかねず、それはもはやアメリカにとって制御不能なものとなる」と警告するとともに、最近の情勢を踏まえて「イランは大規模な紛争に直面した場合、積極的抑止に基づく異なるアプローチを採用するだろう」と認めています。
昨年6月に米国とシオニスト政権イスラエルが核交渉の最中にイランの平和目的の核施設を12日間にわたり攻撃した後、オマーンの仲介により同国首都マスカットとスイス・ジュネーブで間接的な協議が再開されました。有識者らの見解では、これは緊張の高まりを防ぎ、地域の安定を維持するための試みであると見なされています。

