視点
イラン原油販売に関するバイデン米大統領の主張、事実に反する敵対的な見方
-
イラン原油施設
バイデン米大統領が12日金曜、アメリカ国務省に宛てた書簡において、「世界市場には十分な量の原油とその加工品が供給されており、他国はイランからの購入を削減できる」と主張しました。
米ホワイトハウスは、2012年のオバマ政権時代に行使した各種制裁の維持のため、世界市場への原油供給が十分であるか否かを、半年に1度確認するよう義務付けられています。
一方で今月末には、アメリカの一方的な対イラン制裁の解除を目指しての、イランと5カ国グループによる7回目の交渉が、オーストリア・ウィーンで開催される予定です。このため、したがって、現時点で米国務省に宛てたバイデン大統領の書簡は実際、イランに対するアメリカの悪意と制裁を継続したいという真の願望が現れている別の兆候だといえます。
一方で、世界市場に十分な量の原油が供給されており、世界がもはやイラン産原油を必要としないなどとしたバイデン大統領の主張は、国際石油市場の現状に反しています。バイデン大統領は最近、OPEC石油輸出国機構とそれ以外の産油国をあわせたOPECプラスに対し、原油の値下げをはかるべく、産油量を速やかに、かつ大幅に増やすよう求めましたが、OPECプラスはこれに「ノー」を示しました。
アメリカは2012年のオバマ政権時代に初回の対イラン石油制裁を、そしてトランプ前政権時代に2回目を行使しており、またトランプ氏の在任中だった2018年11月には最大限の圧力行使と称する、史上最も厳しい制裁の行使を発表しています。こうした複数回にわたるアメリカの制裁行使の目的は、イランの原油輸出を阻止し、同国の石油収入を喪失させることにあります。これらの制裁措置を受けて多くの国がイランからの購入を停止したものの、イランの石油輸出は米国の制裁措置を迂回してさまざまな方法で継続されています。このため、トランプ政権もバイデン政権もこの点で大きな成功を収めることができず、イランの石油輸出と石油製品はさまざまな形で現在も進行中です。
イランの石油を購入した場合に厳しい制裁を課すという、他国への脅迫を含む米国の甚大な画策にもかかわらず、一部の国はこれらの脅迫を無視してイランからの石油輸入を続行しています。たとえば、中国は過去3か月間にイランから1日あたり平均約80万バレルの石油を輸入しており、これは昨年の同時期のほぼ2倍に相当します。
制裁問題を専門とするコリン・ゴールドシュタイン氏は、アメリカの制裁が徐々に無効化していることを指摘し、「米国があらゆる目的のために制裁を使用し、世界の他の国々に何をすべきか、何をすべきでないかを命じようとすれば、いずれ、他の国はそれに強く抵抗し、もう沢山だと言えるようになる」と語りました。
一方で、イランは米国の石油制裁が続いているにもかかわらず、石油、石油加工品、石油化学製品の販売により、外貨準備の大幅な増量に成功しました。IMF国際通貨基金は報告書の中で、イランの外貨準備高が昨年の40億ドルから今年11月時点で310億ドルに増加したことを明らかにしており、これはイランが米国の経済制裁への対処においてかなりの程度の成功を収めたことを示しています。
さらに、他の複数の報告も、イラン政府の外国為替収益が2020年末から700%以上増加し、約8倍に増加したことを示しています。これは、エネルギー輸送の売上増加による米国の経済制裁の無効性を裏付ける1つの要素だと言えます。実際、米国は制裁がイラン、特に石油部門に与える影響について過度な楽観主義に溺れており、制裁行使から3年後の現在もなお、イランは石油と石油製品の輸出を続けているのです。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj