May 01, 2017 19:02 Asia/Tokyo
  • 第12期大統領選挙の候補者

イランの選挙について、多くの報道が行われています。今回の選挙は大統領選挙、市町村議会選挙とともに、5月19日に行われます。

現職のローハーニー大統領に加えて、北東部マシュハドのシーア派8代目イマーム・レザー聖廟の関係者であるライースィー師、元イスラム文化指導大臣のミールサリーム氏、ジャハーンギーリー現第一副大統領、ガーリーバーフ・テヘラン市長、スポーツ機構の前代表であるハーシェミータバー氏の6人が、今回の大統領選挙の候補となっています。

今回の選挙の候補者登録の段階で、以前に活動していた様々な分野の政治家や活動家が、大統領選に参加する用意を表明していました。憲法に基づき、選挙の前に、護憲評議会によって候補者資格が認められる必要があります。これに関して、候補者は政治的、宗教的な経歴を持ち、イスラム共和制の原則を信奉し、シーア派のイスラムを信仰する人物でなければなりません。

いずれの候補者も、様々な政治的な経歴や責任を持ち、大統領選に臨んでいます。この段階では、候補者は自身の計画を説明し、選挙における感情や動機を盛り上げなくてはなりません。今夜は、6名の大統領候補についてお話しましょう。

現職のローハーニー大統領は、経済改革を公約し、問題の解決に関する重要なスローガンにより、2013年、大統領に当選しました。ローハーニー大統領は2期目を続投する中で、国内政治や外交政策における中庸をスローガンとして、大統領選に参加しました。また、政治・経済計画とその目標を強調し、人々を優先するという公約を行っています。

ローハーニー大統領の選挙戦における見解は、国内においても、国外の政界においても重要だとみなされています。

「我々は選挙に参加するために来ており、私も大統領選挙の場に来た。より大きな治安をもつこの地における更なる自由のために、更なる発展のために、我々は皆、再び選挙に参加しなければならない、穏健なイスラムのために、恩恵あるイスラムのために、理性的で人道的な革命のために。イランをともに作り上げなければならない。イランとイスラム、すべてのイラン人のために、再び選挙に参加してほしい」

ライースィー師はイランの検事総長をつとめた経歴を持ち、イスラム法における博士号を有しています。2016年3月には、イマーム・レザー廟の管理者に選出されました。一部の有識者によれば、ライースィー師はローハーニー大統領にとって最大のライバルとなるということです。ライースィー師は次のように語っています。

「イスラム体制の名誉とは、体制の全ての構造が人々の票によって形作られることだ、人々の票への依拠は、体制の基盤を作り上げている。我々の体制の誇りとは、形式ばった選挙の実施ではなく、人々の票が実際に国の将来を、そして様々な部門の今後を決めることだ。親愛なる人々は、すべての選挙で選んだものを再評価するための機会を持っている。また、国の将来のために意志を固める機会を持っている。我が国では40年近くの間に、様々な政府が樹立し、いずれの政府においても良好な措置がとられ、発展への歩みが進められた。すべての政府関係者の措置は、評価されるべきだ」

もっとも若い大統領候補のガーリーバーフ市長は、イスラム革命防衛隊空軍の司令官や警察軍の総司令官を務めた経歴を持っています。ガーリーバーフ市長は、2005年からテヘラン市長をつとめています。ガーリーバーフ市長が大統領候補となるのは、これで3度目です。ガーリーバーフ市長は、次のように表明しています。

「一度も机の上だけで仕事したことがなく、作業着を着てあなた方の中で仕事をする、このガーリーバーフをあなた方は信用できる。また、以前と同じように、国内の大きな可能性の利用という、実質的で信頼ある計画と責任持っていることから、そして、能力あり、エネルギーを持つ若者や、聖戦の精神を持った経験者を閣僚とすることから、このガーリーバーフを信用することができる」

4月15日に候補者登録したガーリーバーフ市長は、常に、公約は実行可能で、それを責務で示してきたとしています。ガーリーバーフ市長は、次のように語りました。

「本日4月15日、モハンマドバーゲル・ガーリーバーフは、あなた方に誓う。神に頼り、あなた方の支援で、人民政府を樹立し、4年の任期で経済革命を起こす。国の収入を2.5倍に増やし、500万人分の雇用を創出し、金融体制を96%の人々にとっての利益となるように変える。そして、最も重要なのは、低所得層の速やかな問題解決のための、緻密な計画を実施することを誓う」

現職のジャハーンギーリー第1副大統領も大統領候補に立候補しています。ジャハーンギーリー副大統領はローハーニー大統領を支援し、特にテレビの視聴者への中庸の声のメッセンジャーとしてこの選挙戦に参加していると、多くの有識者は考えています。ジャハーンギーリー第1副大統領は次のように語っています。

「選挙は、総体的な問題への同意と、計画に基づく団結を有している。また、党派の区別も存在する。候補者に対する人々の見解が、さらにすぐれた明瞭なものとなるのは、今後のことであり、選挙によって、提示された見解に対する自らの傾向を表明するのは、国民だ。私も同じように、人々に奉仕する中にあり、喜びを感じているが、個人的には選挙に立候補つもりはなかった。改革派の人々が強く要請したことから、私はこの選挙に立候補した」

ミールサリーム氏は、保守派の支持を受けており、フランスのポワティエ大学で機械工学の修士号を獲得した人物です。また、大統領上級顧問や副大統領、イスラム文化指導大臣をつとめた経歴を持っています。ミールサリーム氏は、次のように語りました。

「私は今日、イランの偉大な人々の権利を実現するために大統領選に参加した。また、イスラム革命の恩恵によるあなた方の取り分を、あなた方に贈るために大統領選に参加した。原理主義的保守派政党、イスラム革命国民戦線が国の運営を表明する前に、イスラム連立党の候補として、大統領選挙に参加している。私は人々に奉仕するため、政務において団結を生みだす。自分や周囲の人々の利益のために参加したのではない。私はあなた方のまだかなっていない権利を実現するために選挙に参加した。なぜなら、これは実現されるべきものだからだ。」

ハーシェミータバー氏は、1980年、イラン鉱工業大臣を務め、その後、イラン・オリンピック連盟の会長に選出されました。また、第8期大統領選挙では、大統領候補となりました。ハーシェミータバー氏は次のように語っています。

「もし人々が私を信任し、私が大統領に就任する場合、私が表明した優先事項に着手することはできるが、これらのすべては政府の計画や政策、そして人々の献身や努力により実現されるのが自然である。我々の兵士はイランの地を守り、私たちも人々が安心して生活できるよう、イランを様々な面から守らなければならない。誰でも独自の考えや優先事項を持っているが、私の優先事項はイランを守り、農業改革を行うことだ」

このように、様々な政党や政治思想を持った人々がイラン大統領選挙に参加しています。イスラム体制におけるイランの選挙の基礎は、人々の票にあります。このため、選挙戦に参加する候補者は、党派や政治的な構造を離れ、以前の業績により、人々の票によって選出されるのです。

 

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