ノウルーズ便り11 ノウルーズにおける平和と共存
イランの文化におけるノウルーズは、春の到来を伴っています。この季節の始まりの日は、ノウルーズとされ、自然が芽生え、イランの人々がお祝いする日です。
ノウルーズは、昔から自然と創造の祝祭であり、暗闇に対する光の勝利の日であり、喜びが広がる日です。
ノウルーズはさまざまな慣習の中で、イランにおける多様な文化を示しており、統一の取れたメッセージを含んでいます。この祝祭は、イラン文化における世界観や自然、生活の概念を強調しています。全体的に、これらの祝祭は平和で穏やかな雰囲気の中で行われます。祝祭とは、安らぎやよりよい生活に対する希望、理想の成就などが暗に含まれているのです。
古来からのノウルーズの祝祭は、イランの人々にとって、はじめから平和や喜び、安らぎのメッセージを伴っています。ノウルーズは表面的には新しくなることを意味していますが、これは、人間の命や魂、思想が新しくなることを意味し、心を新たにするべき日なのです。ノウルーズの行事は、精神的な可能性を有しており、宗教的な行事と似ていることが伺えます。ノウルーズは私たちに、節度を守ることよりも優れているものは存在せず、過激主義は世界を滅ぼす、ということを教えます。イランの文化的多様性から、ノウルーズは団結の要因となり、イランの人々は歴史的・文化的にひとつの根を共有しているということを示します。実際、ノウルーズのメッセージとは、友好と平和なのです。
ノウルーズの祝祭は、古い時代から、中東や中央アジア、コーカサス地方、インドやバルカン半島などの世界の多くの場所で正式に行われてきました。地理的に広い範囲で、自然における春の到来とともにこの祝祭が行われ、この中で友好や親切が強調されていたことから、国連やそのほかの国は古代からの祝祭ノウルーズに関心を持ち、これを正式に認定しました。
ユネスコも、ノウルーズを平和的な文化遺産として登録し、また国連もノウルーズをイランの名で記録しています。現在ノウルーズの祝祭は、世界12カ国で、国の祝祭として催されています。これは、ノウルーズが共感や平和、友好に関して、高い可能性を持っており、以前にもまして、その文化的、社会的な機能に注目すべきだということを示しています。
ノウルーズは次のような特徴を持っているため、常に人々に平和と友好をもたらすうえで高い可能性を有しています。それは自然の法則との論理的な結びつき、道徳の維持、両親や年長者に対する尊重、親密な社会的関係の強化、家庭に価値を置くこと、喜びの精神を生み出すこと、同胞に対する更なる奉仕の動機といった要素です。
ノウルーズは私たちに、悪い考え方や敵意を追い出し、清らかさと全ての良いもの、美しいものに注目するよういざないます。この価値観は、平和を守り、国民間、文化間の友好を強める特別な効果があります。ノウルーズの期間には、親族や友人同士の訪問が行われます。家族の年長者に会い、彼らに敬意を払うことは、ノウルーズの訪問でもっとも優先される事柄です。この期間、人々は喜びのときを共に過ごすため、心の中のわだかまりを捨てて、親切な心を持って互いを訪問します。一部の人々は、旅をし、自然の中ですごし、春の安らぎを楽しみます。興味深いのは、調査によると、ノウルーズの期間における犯罪件数は、大幅に減っており、逆に、同情心や親切心、平和的な共存が見られるということです。
イランは多様な文化を持つ最も古い国のひとつで、様々な民族や文化など、多面的な構成を持っています。クルド、ロル、トルコ系から、ファールス系、バルーチ、アラブ、ガシュガーイー、トルキャマーンまで、全ての民族の文化は数千年間にわたって存続し、平和的に、穏やかに生活してきました。彼らは愛を持ってノウルーズを祝い、栄光あるイランを守ってきました。
ノウルーズの文化には、憎悪や嫌悪、敵意は存在せず、皆、これを遠ざける必要があります。イランでは、全ての民族がそれぞれノウルーズを祝い、この文化的共通性は互いの結びつきを深めます。ノウルーズは、様々な色が見られる虹にたとえることができます。この多様性は、イランの人々に、領域やその文化は様々でも、そのすべてはひとつの根幹を持っており、それらは互いに繋がっているということを教えているのです。
信条や、それに付随する慣習の共通性は、集団の間の最も強い絆を生み出します。この共通性は古く、より根源的なものであれば、そして特に、歴史的な結びつきがあれば、人々の結びつきをより効果のあるものにさせます。つまり、ノウルーズは団結を生み出し、特定の集団に依存していないという特性から、異なった文化をもつ人々を近づけ、絆を生み出すのに重要な役割を果たすといえるでしょう。これは現在も大きな役割を果たしており、ノウルーズが存続し、広がった秘密とされています。このため、今日世界が交流や平和、崇高な精神的価値観を渇望していることに注目すると、ノウルーズは今まで以上に友好と協力、慈愛のメッセージをもたらすことができるのです。
イランは、ノウルーズ発祥の地として、近隣諸国においてこの古い祝祭を守り、地域に平和と心の団結を生み出すことに関して、特別な関心を持っています。ノウルーズはイランの管理の下、12カ国の名義により登録され、イランはこの管理の中で一連の責務を守っています。その責務には、平和の確立の支援、社会的な関係の円滑化などがあります。ノウルーズ国家慣例政策評議会のホセイニーイェマカーレム議長は、次のように語っています。「この責務により、ノウルーズの祝祭は今年も、昨年とはより違う形で開催される。我々は国民のノウルーズの慣習により、『平和の対話』を、イランの対話として提示する」
「ノウルーズ、平和の遺産」という国民的な会合がイラン文化遺産・伝統工芸・観光庁によって、テヘランや一部の州で開催されるようになってから、4年がたっています。今年も春の始まりに際して、3月7日と8日に、テヘランのマレク博物館と文化遺産・観光研究所でおこなわれました。人類科学研究所の所長と、「ノウルーズ、平和の遺産」会合の学術委員会の責任者を務めるホセインザーデ氏は、この会合で、次のように語りました。「ノウルーズに関して提示された必要性とは、ノウルーズや平和に対する関心を引き起こすことだ。このため、この会合に『ノウルーズ、平和の遺産』という名前をつけることが決定された」
この数年間、テロや、テロ組織ISISやタリバンなどの、中東地域における過激派の活動が地域の安全を損ねています。もし、やさしさや親切を語る対話が生み出されれば、多くの暴力を未然に防ぐことができ、また、中東で発生している戦争の継続を防ぐことができます。ノウルーズの共通の慣習は、団結を生み出し、それらは地域の平和の要因となりえます。このため、ノウルーズは各国の団結のための下地を整えているのです。
タバータバーイー文化遺産・観光研究所高等顧問もこの会合で、次のように語りました。「平和は人々の間に戦争がないという意味ではなく、ある種の思想から始まっている。寛大、寛容といった思想、つまり平和は人間の共存によって可能となる。ノウルーズは文化遺産の基礎であり、イラン人のアイデンティティを示している。この食布は全ての人々のためのもので、全ての人々は、それぞれの理解によってその遺産を食布に持ち寄っている。ノウルーズは平和と共存の大きな可能性を持っており、イランの歴史的な思想と文化の全域に広がり、それを完全にカバーしている」