ペルシャ語ことわざ散歩(151)「花嫁は踊れなかった、地面が歪んでいると言った」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「花嫁は踊れなかった、地面が歪んでいると言った」です。
ペルシャ語での読み方は、Aruus natavaanest beraqsad, mi-goft zamiin kaj astとなります。
このことわざは、イランの伝統的な結婚式で、花嫁が来客たちの前で適当に手足を動かし、体をくねらせて踊る習慣があることに由来しています。
そして、このことわざの本来の意味は、何かをする、あるいは問題を解決する上で自分にその力がないためにできず、その責任を受け入れたくない場合の言い訳や口実、すなわち、自分ができない、責任を果たせないことを正当化する、ということになります。
日本語でも、これとほぼ同様のことわざとして「地が傾いて舞が舞われぬ」、「堂が歪んで経が読まれぬ」などといったものがよく知られています。
ちなみに、伝統的なイランの結婚式では花婿さんも踊る習慣があるようです。そして日本ではお花見の席などで、カラオケなどがよく登場するのに対して、イランでは結婚式やホームパーティーなどの場で、ポップス音楽などに合わせて踊る、という場合が多いようです。
もっとも、最近ではコロナ感染拡大の影響もあり、従来までは盛んだった家族親戚間の行き来や、親しい人などを招いての私的なパーティーなども控えたり、縮小したりせざるを得なくなっています。少しでも早くコロナが完全に収束して、また以前のように人々が気楽に行き来してパーティーなどを楽しめる状態に戻ってほしいものですね。それではまた。