イランの伝統的な打楽器;トンバク、ダフ、ドホル
打楽器とは、手や棒、ばちなどで叩いたり、振るなどの動作によって音を出す楽器です。
イラン古来の打楽器にはさまざまな種類があります。この番組では、最も重要なイランの打楽器についてご紹介してまいりましょう。
打楽器は、人間の声に次いで世界で2番目に古い楽器であり、あらゆる種類の慶弔の儀式、宗教音楽、郷土音楽、さらには軍楽隊などで人間の感情を呼び起こすために使用されてきました。
イラン国内に存在する各種の様々な楽器のうち、特によく知られているものとして、ダフ、ドホル、ダーイェレ、トンバクが挙げられます。以下に、その1つ1つについてご紹介してまいりましょう。
ドホル
ドホルは両面のある大型の太鼓で、牛や水牛の皮で作られています。イラン国内でも特に南東部スィースターン地方、北東部ホラーサーン地方に伝わる郷土音楽に多く使われています。
この楽器そのものの大きさや、ばちの種類は国内各地の音楽により、都市ごとにそれぞれ異なっています。この楽器は多くの場合、ソルナーと呼ばれるラッパに似た楽器とともに、結婚式や地方のスポーツの試合などで演奏されます。
ダフ
イランの打楽器の中でも特に親しまれているもので、イラン古来の音楽や伝統楽器の中で特別な位置づけにあります。
日本にあるタンバリンに似た楽器で、直径60センチほどの円形をしており、木材、金属、動物の皮でできています。
現在、この楽器は独奏および合奏で重要な役割を果たしています。演奏する場合、演奏者はダフを両手で垂直に持ち、体をやや左に傾けて、皮でできた面を両手の指で叩きます。
なお、ダフは同じく円形をしたダーイェレというイラン打楽器に似ていますが、ダーイェレよりも大きく、また低い音が出ます。
トンバク
郷土音楽によく使われる、イラン古来の楽器です。この楽器はイランの打楽器の中でも最も古いとされ、その本体はクルミや桑、楓の樹木でできており、大きさは様々です。
このうち、大きなサイズのものは合奏に使用され、小さなものは単独での演奏に使用されます。なお、この楽器にはヤギまたは羊の皮が使われています。
ーーーーーーーーーー
1)
ドホルは、私にとってエネルギーを与える楽器です。
ドホルを演奏すれば、イラン音楽のベースのリズムがどのようなものか分かります。
2)
私にとって、ダフは世界最高の楽器の 1 つです。
ダフを強く叩けば叩くほど良い音が出ます。
3)
この楽器は、イラン音楽の楽団の主要楽器の 1 つです。
トンバクの主な素材は木と革です。
トンバクの本体の大部分は、クルミや桑などの木材でできています。
そして、子牛やラクダなどの動物の皮が張られています。
昔は、大きい音が出せるように薄い山羊の皮が多く使われていました。
しかし、現在では子牛やラクダの皮がほとんどです。