アンザリー湿原
今回ご紹介するのは、アンザリー湿原です。
アンザリー湿原はカスピ海の南西の沿岸部にあり、最も重要な商業・経済港、つまりアンザリー港のそばに位置しています。
アンザリー湿原は、世界で最も大きく美しい湿原の一つです。この湿原には複数の島があり、中でもミアーンポシュテ島が最も重要な島となっています。アンザリー湿原は、環境、周遊、経済の点から特別な重要性を有しています。周辺の葦原やスイレン、美しい鳥たちも心安らぐ景観を生じさせ、見る者全てをひきつけており、ここを観光の中心地にしています。
アンザリー湿原には、様々な種類の水生動物や水鳥が生息しています。この湿原の南には古い歴史を持つ美しいアーブケナール村があります。この村の人々はこの地域で昔から園芸や漁を行ってきました。
淡水のアンザリー湿原は11の河川を水源とし、面積は1万5千ヘクタール、海抜マイナス23メートルとなっています。
アンザリー湿原は、魚の産卵のための場所、さらには水鳥の多くが冬を過ごし、ヒナを産む場所となっており、一面を葦で覆われています。
アンザリー湿原には、およそ11の本流の河川と30の支流が、稲田や農地を灌漑した後、注がれます。湿原の最大の深さは2.5メートルで、カスピ海の海面が変動するために、湿原の深さも変わります。さらに年間の平均水温は16度で、冬の平均水温は2度から11度となっています。冬には最小限の降雨もあります。年間の平均降雨量は1500から200ミリで、湿度は80%から85%です。概してアンザリ湿原の夏は湿度の高くて暑く、冬は穏やかな気候となっています。
アンザリー湿原は、淡水の水深の浅い湿原で、カスピ海よりおよそ1キロ内陸にあります。湿原ではない地域は、この湿原の葦の高さは時に6メートルになります。アシはアンザリー湿原を覆っている最大の植物です。
アンザリー湿原は水鳥が冬を過ごし、産卵するための適切な場所となっています。この湿原では毎年、白鳥、ガチョウ、アヒルなどが見られ、こられの鳥は湿原のあちこちで冬を越しています。
これまで、アンザリー湿原では78種類の鳥類が確認されており、このうち33種類が水鳥や渡り鳥、45種類が周辺の森林に生息しています。湿原の重要な魚類には、カワカマス、コイなどがいます。湿原のそばには、イノシシ、ヤマアラシ、ジャッカルが生息しています。
アンザリー湿原は1976年、ラムサール条約に登録されました。鳥類の保護に関する国際評議会も、この湿原を、鳥類の重要な生息地の一つに認定しています。現在、この湿原には観光庁のガードの常駐と巡回が行われており、毎年鳥類の数が計測されています。
さらに、アンザリー湿原の保護を目的に、イランは外国の機関と大規模な協力を行っており、そのうちの一つに日本のJICA国際協力機構との協力が挙げられます。
湿原は神が授けた唯一無二の天然資源として、多くの価値を有しています。アンザリー湿原もまた、こうした重要な天然資源として、社会的に高い経済価値を有しています。
湿原の最も重要な価値は、野生動物の保護と動植物の遺伝子の備蓄です。湿原の沈殿物の堆肥としての利用、漁業、狩猟、さらには観光客の誘致がアンザリー湿原の全体的な価値と見なされています。
現在湿原やその周辺の土地は農業や漁業、狩猟、人々や商品の運搬のために使用されています。さらにこの湿原は、その周辺の地域の農業用水を確保する重要な水源の一つと見なされています。
アンザリー湿原は、イランの野生動物の最大の生息地と見なされており、毎年、イランの北方の近隣諸国から渡ってくる多くの鳥を受け入れています。この湿原は湿度の高さと水の供給の点から類稀な存在となっています。類稀な存在となっています。アンザリー湿原は水鳥や渡り鳥の生息地と見なされ、さらに、魚類の産卵地でもあり、目を見張るような自然の美しさから、多くの観光客をひきつけています。
アンザリー湿原の美しい島々では、水に咲くハスの緑の葉がこの島々に特別な美しさを増しています。アンザリー湿原のハスは夏に花をつけるため、この地域を訪れるのに最高の季節は夏です。
アンザリー湿原は、ボートや水上スキー、釣りなどをして余暇を過ごすための場所にもなっています。