2月 22, 2017 18:25 Asia/Tokyo

シャーデガーン湿原は、イラン南西部にある手付かずの美しい地域にあり、多様な動植物が見られます。

フーゼスターン州の州都アフワーズから、およそ100キロアバダンの町に向かっていくと、ダールホエインという地域に着きます。そこからシャーデガーンの町に向かう道の途中で、岸に横付けされたボートが待っており、それに乗って進むと、まもなく美しい景色が目の前に広がります。ここがシャーデガーン湿原です。

シャーデガーン湿原

 

シャーデガーン国際湿地は、イラン南西部にある大きな湿原です。この湿原は実際、シャーデガーン、フールムーサー、フーロルオミーエの三つの湿原で構成されており、面積40万ヘクタール、湿地の保存に関するラムサール条約に登録されています。

シャーデガーン湿原

 

シャーデガーン国際湿地は、広大な環境生態系にあり、南はペルシャ湾につながっています。シャーデガーン湿原の重要な特徴に、その大きさ、天然の湿原であること、生物の多様性、住民の生計における役割が上げられます。この湿原の近くにはシャーデガーン、アバダン、マーシャフルの三つの都市と、複数の村が存在します。湿原の見所は、湿原の中にある二つの村で、これらの村の住民は移動にボートを使っています。

 

 

シャーデガーン保護区には水のないところもあります。この湿原は入り江やクリークに似ています。クリークは、船を停めたり港を作ったりするのに適切な場所となっています。

シャーデガーン湿原

 

シャーデガーン湿原は、イランとイラクの国境にまで続いていた巨大な湿原が残ったものと言われています。この湿原の水深は最大で2メートル半です。

シャーデガーン湿原の驚くべき特徴の一つは、淡水と共に塩水が存在することです。これにより、この湿原には珍しい多様な生物が生息しています。淡水は冬季にジャッラーヒーとカールーンの二つの川から確保されます。湿原の淡水の部分は季節的なものですが、塩水はペルシャ湾と入り江につながっていることから、恒常的に存在します。

湿原の水の供給源には、ペルシャ湾の満潮と降雨があります。淡水の部分には様々な植物と、鳥類が生息するのに適した場所があります。湿原の塩水地域の多くは植物の分布は見られず、その30%以下が塩沼地の塩生植物となっています。

シャーデガーン湿原

 

シャーデガーン湿原は地域や世界の最も重要な自然の資本の一つと見なされます。湿原の生態系の最も重要な影響の一つに、洪水のコントロールがあります。シャーデガーン湿原は、洪水を抑制する高い能力があることから、アバダンやホッラムシャフル、シャーデガーンの町を守る堤防のような役割を果たしています。

この湿原では、様々な種類の魚類を見ることができます。シャーデガーン湿原は様々な生物が生息していることから国際的にも重要な湿地となっています。両生類、爬虫類、哺乳類など300種類以上の生物が、この湿原のそばで確認されています。

シャーデガーン湿原

 

シャーデガーンで見られる動物に、ハンドウイルカがいます。このイルカは、ペルシャ湾の入り江やフールムーサーでよく見られます。シャーデガーン湿原は、水牛の飼育地としても適切な場所となっています。ここでは常に水牛が水の中を泳ぐ姿を目にすることができます。

シャーデガーン湿原

 

シャーデガーン湿原の水面は様々な植物に覆われており、このため、渡り鳥にとっても適した生息地となっています。これらの鳥は秋にシベリアや北ヨーロッパから渡ってくる鳥たちです。

この湿原には季節ごとに175種類の渡り鳥を含む260種類の鳥類が生息していると言われています。これらの鳥は湿原の各地で見られます。

シャーデガーン湿原

 

シャーデガーン湿原には多くの観光客をひきつける多様な魅力があります。シャーデガーンの町やその周辺の村は何百年もの間、湿原を利用して生計を立ててきました。現在も、水牛の飼育や漁を行ったり、植物を採集したりしています。ござや籠を作るなどの手工芸にも従事しており、ナツメヤシの葉や湿原の葦を利用しています。色とりどりに美しく編まれたござは、この地域のお土産に最適です。

 

 

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