イラン国民の大々的な選挙参加
5月19日金曜、イランでは重要かつ、運命を決める選挙が行われました。
イランの人々はこれまでの選挙と同じように、大々的に投票所に足を運び、イスラム革命の勝利40周年を目前にして、政治的な英雄伝を築き上げたのです。
最終的な集計結果により、ローハーニー大統領は2300万票以上を獲得し、今後4年間の大統領に選出されました。
今回の総数、4122万131票のうち、次点はライースィー師で、1578万6449票、ミールサリーム氏が47万8215票、ハーシェミータバー氏が21万5450票でした。
今回のイラン大統領選挙と市町村議会選挙の有権者は5641万人で、4000万以上の投票総数により、投票率は70%を上回ったと発表されました。国内のイラン人とともに、世界各地に住む海外在住のイラン人も、自身や国の政治的な将来に参与するため、大々的に投票に参加したのです。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、メッセージの中で、選挙の勝者はイラン国民とイスラム体制だとしました。ハーメネイー師は19日の選挙に際したこのメッセージで、あらゆる場所で、すべての社会の人々が、投票のために長い列を作り、人々が盛大に熱意を持って選挙に参加したことは、イスラム民主主義体制の基盤が強固であり、皆が心から団結していることの明確な表れだと強調しました。
ハーメネイー師はまた、イランは再びねたみや悪意を抱くものを遠ざけたとして、「人々は選挙の後、国民の団結について考えるべきだ。それは明らかに国民の力強さにおける重要な要素である。また、国を大きな目標に向かって発展させる義務を認識し、それを追求するよう努力すべきだ」と語りました。
さらに、ローハーニー大統領や、次期政権に参与する人々に対して、「国の問題を解消するため、強い意志や動機を伴う努力を行い、ひとときもその方針を忘れることなく、弱者に配慮し、村や貧しい地域に注目を寄せ、優先事項を守り、汚職や社会的な害悪への対策を取ること、これらを計画の筆頭とすべきだ」としました。
ハーメネイー師はこのメッセージの中で、選挙に参加した人、イスラム法学者、大学、政界、文化や芸術におけるエリート、大統領候補、選挙の実施や監督に携わった人々すべて、治安維持に当たった人々、国民のメディアに、それぞれ感謝の意を述べました。
選挙の開始に際して、イランの人々は投票所に足を運び、自身の政治参加を示しました。人々が大々的に投票所に赴いたことは、イランにおける政治的な情熱を示しています。また、投票所の長い列は、イランの人々が高い地位を持っており、40年前から、イスラム共和制の進む道を決めており、これからも決め続けるということを示しています。
イランの様々な社会階層の人が数千万単位で大統領選に参加したことは、力を生み出す要素となっており、地域・国際舞台におけるイランの力を大きくしています。言い換えれば、様々な階層や様々な見解を持った人々の支持を受けた選挙によって、国の力や安全保障が示されることになります。政治問題の専門家、ヤズダーニー氏は次のように語っています。
「我々は19日金曜、イランの崇高で賢明な国民が、意識的に、大々的に参加したのを見た。大統領選挙においても、市町村議会選挙においても、また、国会の中間選挙においても、我々は人々の大々的な参加を目の当たりにした。彼らの参加は賢明な形で、何の衝突も、問題もなく、監視機関などの、完全な監視の下で行われた。選挙は好ましい形で行われた。票の集計においては、大統領選挙でも、市町村議会選挙でも、国会の中間選挙でも、重要な点は、この集計作業が多くの機関や、その代表者の監視の下で行われたということだ。第2の重要な点は、すべての候補者が選挙結果に従ったことだ。大統領選挙、市町村議会選挙、国会中期間選挙の候補者は皆、結果を受け入れている。なぜなら、選挙が健全な状況の中で、問題なく行われたからだ。つまり、選挙の結果がどうあれ、それは先見の明を持つイランの人々の賢明な選挙の結果なのだ」
イランの宗教的民主主義の恩恵
ハーメネイー師は人々の役割の重要性に注目し、大統領選挙と市町村議会選挙の投票を終えた後、民主主義体制と人々の選挙の参加に触れ、「国の運命は人々の手にゆだねられている、なぜなら行政権の長は選挙で選ばれるからだ」としました。
イランの憲法では、「4年間の任期の大統領は人々の直接選挙により選ばれ、連続再選は2期までである。また大統領は最高指導者に次ぐ高い地位を有しており、憲法を施行し、最高指導者と直接関係のある業務を除いて、行政権の長を担う責務を持つ」とされています。
イランの人々の今回の選挙の積極的な参加は、憲法の枠内で自身の影響力ある政治参加を示しただけでなく、イランの治安と力を高めました。選挙における国民の大々的な参加は、権力を生み出す要素なのです。
イランにおける政治参加の結果
イランの選挙は国内だけでなく、地域や国際社会にとっても重要であり、注目を受けています。国内では、人々は自分たちやイスラム体制の運命を決める上で直接的に役割を果たし、直接大統領を選びます。人々の大統領選における役割は、決定的なものであり、人々が選んだ人物が直接大統領となります。そのほかの団体は、この中で役割を果たすことはありません。
イランの民主主義のモデルは、人々が基盤で、重要な決定者となる独特のモデルです。イラン大統領に選ばれた人物は、人々の意志を実現する人物です。
大統領選挙における人々の大きな役割により、イラン大統領選は地域、国際面で重要となっています。イランは、人々の実質的な意志に基づいて、体制責任者を直接、あるいは間接的に決定する中東地域唯一の国です。このため、イランは宗教的民主主義に基づく民主主義国家とされており、西側のリベラルな民主主義モデルとの相違は、国際面での重要性を増しています。政治問題の専門家、ホセインネジャード氏は次のように語っています。
「革命とイランの主人公はイラン人自身である。人々が、国の現在と未来を決める。国会選挙、市町村議会選挙、大統領選挙など、イランで行われる様々な選挙は、国の安全保障を整備している。国家の安全保障の範囲は大変に広く、国の将来に人々が関与することは、国の運命を方向付けるものであり、これら全ては国家の安全保障に秩序を与える指標である。敵は今日、国民による国家運営への参加、国民の団結、先見性を恐れている。敵は今日、おそらくそれほど軍事的な戦争について考えておらず、体制や国を無意味なものにすることを考えている。このため、、我々が選挙の中で示した非常に印象的な舞台は、世界の人々に対して、イラン国民が多いなる力を見せる新たな形の演習であったと言える」
イランの宗教的民主主義における人々の意志や要望は、特別な意味を持っており、ほかの選挙制度と比べると、その重要性は明らかです。イランの人々は選挙の日、行政権の責任を託すため、護憲評議会が認めた候補者の中からふさわしい人物を認定します。
一方、アメリカにおけるこのプロセスは、イランとは異なっています。アメリカでは、トランプ大統領のように、選挙人の票をもっとも多く得ることができた人物が、大統領として選ばれます。つまり、アメリカにおいては、選挙日における人々の役割は、決定的なものではありません。
この人々の役割における違いが、イランの宗教的民主主義と西側のリベラル民主主義の間の最も重要な違いであり、リベラル民主主義は基本的に、人々を物質主義の道具として捉えているのです。