2月 22, 2018 23:23 Asia/Tokyo
  • サイエンスパーク
    サイエンスパーク

この時間は、イランにおける知識の生産やソフトな運動の基盤のひとつであるサイエンスパークや科学技術機関の成長についてお話しします。

前回のこの時間は、2000年代のイランにおける知識生産状況についてお話ししました。世界の研究業績データベースの統計は、この時期のイランの知識生産が大幅に成長したことを示しています。

 

また、世界の知識生産における各国の役割を包括的に見るために、人類の知識を向上させるためのイラン人学者の努力を、パキスタン、エジプト、トルコ、シリア、サウジアラビアといった国々の知識の生産と比較しました。これによれば、イランは世界の知識生産に効果的な役割を果たしただけでなく、多くの分野で地域諸国をリードしています。

 

サイエンスパークや科学技術機関の設置は、各国の科学的な発展をはかる基準となることから、今夜の番組では、イランにおけるこれらの機関の発展についてお話ししていきます。

 

サイエンスパークや科学技術機関は、専門的な雇用の創出や、ナレッジベース経済の強化、科学技術の発展に貢献する機関です。現在、第三世代の大学の成長により、研究者たちは、技術を利用して富を作り出すことに努め、国家の経済を研究機関に基づいて築こうとしています。このことから、サイエンスパークや科学技術機関の設置は、この理想を実現するための最も重要な手段として、国家の科学面での計画や政策において重要な地位を見出しています。

 

サイエンスパークや科学技術機関は、中小の技術企業や研究機関を設置するのに適した環境を整え、大学との建設的な協力の中で、技術の生産に取り組んでいます。

 

これらの機関の最大の目的は、ナレッジベースの機関やパークに参加する企業の間で、健全な競争を行うことにより、革新の文化を向上させ、社会の富を増やすことにあります。市場調査、アイデア、学術研究、デザイン、サンプル作成、技術の生産、知的財産権の取得、商品化、これらが、この機関で行われている主な活動となっています。

テヘラン東部にあるパルディ-スサイエンスパーク

 

イランの学術活動の地図の上では、科学技術機関やサイエンスパークの発展が、ナレッジベース経済の形成の支え、イランの科学面での重要な目的として特に注目されています。

 

2000年、イランのサイエンスパークの数はたった1箇所でしたが、その1年後には、8箇所に増加しました。その後もサイエンスパークの数は急速に増加し、この活動が始まってからおよそ10年後の2013年には、33箇所となっています。

 

科学技術機関は、ナレッジベース経済の指標のひとつです。これらの機関は、専門家による管理のもと、技術につながるさまざまな分野で活動し、商業化につながるアイデアを持つ雇用機関のために、設備や相談などのサービスを提供しています。こうして、富を生産し、技術分野で効果的に活動できるような手助けをしているのです。

 

科学技術機関で提供されている主なサービスには、専門的な教育、人材や資金、管理面でのサービスや情報の提供、実験室や作業室の提供などがあります。2001年、イランで活動する科学技術機関の数は1箇所でしたが、1年後には17箇所、5年後には43箇所、10年後には131箇所に増加しました。

 

科学技術機関やサイエンスパークの企業の数は、イランの研究活動の発展や商品化の度合いをはかる指標です。統計によれば、その企業の数は、2003年の676社から、2012年にはおよそ3000社に増えました。言い換えれば、およそ6年の間に、その企業の数は4倍に増加したのです。

 

1994年、サイエンスパークや科学技術機関で生産された技術の数は、723件でした。しかし、2014年には1086件、2015年には1587件に増加しました。さらに、ここで生産された技術のうち、2013年には32件、2014年には37件、2015年には19件が輸出されました。

 

2013年のナレッジベース製品の輸出額は、1400万ドルでしたが、その2年後には5000万ドルに増加しました。さらに、イランのサイエンスパークや科学技術機関の研究者によって、2013年から15年までにおよそ1000件の発明品が登録されました。

 

さまざまな学術分野、特にサイエンスパークや科学技術機関で行われてきたイラン人学者の努力により、世界におけるイランの学術的な地位は、2013年の21位から、2016年には16位になりました。イラン人学者は、イランの地域や世界における科学技術の生産面での地位の向上において、重要な役割を果たしています。イランはこの時期、地域やイスラム世界の順位を、2位から1位に上げています。

 

ISI科学文献データベースによれば、2015年、イランは、学術論文の生産数の点で世界2位となりました。また、技術生産の速度の点では、世界1位になっています。さらに別の報告によれば、2013年、世界の大学ランキングにイランの大学の名はひとつも見られませんでしたが、2016年には、14の大学がランキング入りしました。

 

さらに、世界の優れた学術論文の上位1%に占めるイラン人学者の割合は、2011年にはおよそ0.57%でしたが、2015年には1.43%に増加しました。

 

最後に、世界の革新の指標に関する2016年の報告によれば、イランは世界128カ国のうち、2013年から2016年にかけて、113位から78位に上昇しました。この指標は、イランの科学技術が、この20年の間に大幅に増加したことを示しています。

 

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