昨年のアメリカ大統領の反イラン的行動(音声)
イラン暦の新年が明けても、アメリカのイランに対する敵対的行動はやむことがありません。アメリカのトランプ大統領は、就任から1年が経過する中で、イランに対する制裁や脅迫に固執しています。
アメリカのトランプ大統領は、イランに核問題以外の問題について話し合いを行わせるため、核合意をイランへの圧力行使のための道具として利用しています。
トランプ大統領は、ヨーロッパ諸国とイランの協力を妨害しようとしました。地域におけるイランのテロ支援に関する主張と、抵抗勢力に対するイランの支援や資金援助への妨害は、この政策の中で行われています。ミサイル分野におけるイランの防衛活動も、トランプ大統領の政策の中で、大いに強調されました。
トランプ政権は、核合意の実施を遅らせ、外国の投資家がイラン経済に進出しないように、そして外国の投資家の消極的な活動により、法的な成果がないような形で、核合意を破棄に導こうとしました。
アメリカは以前から、そして1979年のアメリカ大使館の占拠から、イランに対する大規模な政治的行動や軍事的な脅迫に着手してきました。テヘランにあったアメリカ大使館は、スパイの巣窟、そしてイスラム革命に対する陰謀の中心地に変わり、革命的なイスラム教徒の学生によって占拠されました。
アメリカは1979年から、ペルシャ湾に艦隊を派遣し、いつでもイランを攻撃できるとしました。しかし、これらのすべてのシナリオの中で失敗しました。イラン南東部タバスにおけるアメリカの軍事的攻撃の失敗、クーデターの失敗、イランを国際社会で孤立させる試み、イランを悪の枢軸国のひとつとすること、これらはみな、イスラム革命の勝利の後のものです。
この敵対行為を見ると、アメリカはイラン暦の昨年も、さまざまな形での陰謀や制裁、主張などをイランに対して行い、イラン周辺の地域においても、イランが孤立化し、悪いイメージを植えつけるための行動を取っていたといえます。アメリカはイランの街頭における暴動も支援しました。
アメリカの著名な批評家、ノーム・チョムスキー氏は、イランに対するアメリカの敵意について説明する中で、次のように語りました。
「アメリカとイスラエルは、自分たちが支配者だと考えている地域の独立国の存在に耐えることができない」
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、アメリカの本質について、演説の中で次のように語りました。
「アメリカは真の意味で、基本的な悪意ある敵であり、この真実は偏見や悪意ある見方によるものではなく、経験や問題の正しい認識、現実的な見方により見出されるものだ」
アメリカの政府関係者は、過去においても現在においても、イランにダメージを与えるためにあらゆる努力を行ってきましたが、誰でもイラン国民に侵害行為を行うものは、間違いなく、自身が損害を蒙る結果に終わるということを認識すべきでしょう。ハーメネイー師が語ったように、アメリカのイラン国民に対する深い敵意は、アメリカの大誤算や失敗の繰り返しにつながっています。ハーメネイー師は、また、次のように述べました。
「アメリカはまさにこの結果の出ない陰謀を続けている。なぜなら、その敵意と恨みが、彼らを正しい評価や、現実的な見解と理解から遠ざけているからだ」
アナリストの見解によれば、イランの地域における力は、アメリカの地域の同盟者の弱体化とともに、トランプ大統領がイランの核合意遵守を認めないことの要因となっています。
イランの核合意遵守の不承認は、世界が、6カ国グループおよびIAEA国際原子力機関とのイランの建設的な協力を認めている中での、アメリカの一方的な判断です。一方で、イランの国民や体制に対する偽りの主張が行われています。
アメリカのイランに対する敵意は、目新しい事柄ではなく、これは歴史的な事柄で、すべての人に明らかな事実です。しかし、トランプ大統領の国際問題における、繰り返しの似たような失敗、信用ある数カ国間の国際的合意への軽視、国連、IAEAの役割に対する無視などから、トランプ大統領が国際的な要人としての行動規範や原則を知らない、ということが理解できます。
また、トランプ大統領が自分はイランの人々の支援者で友人、としているのにもかかわわらず、この1年間、イラン国民に対して最大の妨害行為を行っていることは、大変皮肉なことでしょう。
イラン人に対するビザの発給停止は、トランプ大統領の偽りの主張を自ら説明しており、トランプ大統領がイランとイラン人に対してどのような行動をとっているのかは明らかでしょう。
アメリカ政府関係者は、イスラム革命勝利後の40年近く、中東地域でイランが強力になることを何よりも懸念していました。このため、いつの時代も、多様な方法で、イランが地域において強力になるのを妨害しようとしてきました。イラクやアフガニスタンにおける直接の軍事駐留、地域各国における軍事拠点の設置は、この中で分析することができます。
アメリカ政府は、現在、多様な武器を売り、地域を火薬庫に変えている中で、イランをテロ支援で非難し、また、イランのミサイル実験に疑問を呈しています。サウジアラビアやシオニスト政権イスラエルに対する政治的、軍事的支援は、中東地域におけるイラン対抗策に向けた、トランプ大統領の計画の一部なのです。
昨年度のイランに対する、アメリカの政治的活動について分析する中で、アメリカの敵対的な目標は、地域的、国際的な側面を帯びていると指摘すべきでしょう。アメリカの核問題などの国際的な面を持つ行動は、イランの孤立化を目標としています。しかし、イランはアメリカの陰謀に抵抗し、イスラム革命の原則と理想に基づく抵抗の中で、世界の覇権主義大国を脅かすことができることを示しました。
ハーメネイー師が語ったように、このような陰謀は思考の退化という結果をもたらすだけであり、イランを目的達成のための口実にしていると考えることができます。ハーメネイー師は、シリアとイラクでのテロの戦いにおける殉教者の遺族と会談する中で、トランプ大統領などの、アメリカ政府関係者の敵対的な発言に触れ、それを嘘の発言だとし、次のように語りました。
「トランプ大統領の嘘は新たな事柄ではない、なぜならイスラム体制は当初からさまざまな陰謀に直面してきたが、イランの国民に対して悪意を抱くものは、何の過ちも犯すことはできなかった」
アメリカの新聞ワシントンポストは、2016年11月、記事の中で、1953年8月のイランのクーデターにおけるアメリカの関与と、イランの政治体制の転覆の必要性を語るアメリカの新任の政府関係者の見解に触れ、次のように報じました。
「アメリカの政府関係者は、歴史的な事実を忘れていることを示す中で、現在、自身の敗北につながる危険なゲームにいそしんでいる」
また、ワシントンポストは、次のように語っています。
「イランの体制を転覆するため、内側からソフトな手段を、また、軍事力や脅迫、制裁を行使することは、アメリカの政府関係者のイランに対する見方の下地を構成する要素である」
トランプ大統領は、イランに対する目的の達成のために、イラン暦の昨年度、まさにこの過ちを無視し、イランを弱い政権だと想定し、過去のようにイランを脅迫し、屈服させることができると考えました。アメリカのティラーソン前国務長官は、この想定について、アメリカ上院外交委員会で触れ、次のように語りました。
「アメリカは、平和的な体制の移行に貢献することのできるイラン人を支援する」
トランプ大統領は、イランに反対する軽率な立場や行動により、イランとアメリカの過去と現在を現実的に理解していないことを示しました。イランは、ハーメネイー師の言葉によれば、オバマ大統領が鉄のこぶしをビロードの手袋の中に隠し、チェンジという言葉を語った時、この言葉に喜ぶことなく、また、今日では、トランプ大統領の脅迫や発言に嫌悪感を示してます。
ハーメネイー師は、若いエリート層ら数百人と会談した際、イラン国民に対するアメリカの敵意は革命の勝利から存在することに触れ、次のように語りました。
「この時期は核エネルギーの問題も、また、ミサイルや地域の進出に関する問題も提起されていなかったが、アメリカは、イスラム革命の勝利により、利益の多い、忠実な衛星国としてのイランを失ったと理解していた」
ハーメネイー師は、アメリカの政権について、イスラム革命の創始者ホメイニー師が言ったように、真の意味での大悪魔、最大の悪魔であるとし、次のように語りました。
「アメリカの体制は、世界のシオニストの危険なネットワークの代理人であり、独立諸国の人々に敵対し、地域や世界の紛争の多くの元凶になっている。また、ヒルのように、各国の国民のすべてのものを吸い尽くそうとしている」
ハーメネイー師が繰り返し語っている重要な点とは、アメリカのイランに対する敵意の理由は、アメリカの、シリア、レバノン、イラクなどの地域における関与が失敗し、アメリカとシオニスト政権の分割のシナリオが崩壊していることによると考える必要がある、ということです。アメリカの政府関係者は、今回もイランに関して見当違いをしている、という現実を受け入れなければならないのです。