May 14, 2018 16:41 Asia/Tokyo
  • 西側諸国での女性の犯罪の増加
    西側諸国での女性の犯罪の増加

今回は、西側諸国における女性の犯罪の増加について考えることにいたしましょう。

西側の世界の産業化のプロセスは、都市化の進行や人口の増加といった現象を伴い、19世紀、その前の18世紀において、次第に大都市における伝統的な社会の枠組みの多くを破壊し、家庭の絆を弱めることとなりました。こうした変化は、好ましくない結果をもたらしており、中でももっとも重要なものは、人々の間で宗教的な傾向が弱まり、犯罪が増加して治安が悪化した事です。

その例として、アメリカ社会では犯罪が増加しており、同国の大都市や工業都市では、夜に一人で歩いている人を見ないほどです。アメリカでは個人的、社会的な権利が著しく侵害されており、人々は社会的な恐怖感の中で暮らしています。しかし、それよりももっと憂うべき点は、女性の社会進出や経済活動への参加が活発化した一方で、女性の犯罪件数が増加していることです。

 

 

アメリカにすむ女性の数は全世界の女性の総人口のわずか5%に過ぎませんが、全世界での女性の収監者のうち、アメリカでの女性の収監者の割合はおよそ30%にも及んでいるということです。こうしたデータから、アメリカの司法制度が中国の2倍、ロシアの4倍もの数の女性を、様々な理由で刑務所に収監している事がわかります。

アメリカの女性の収監者数に関する情報によれば、イリノイ州での女性収監者だけで、エルサルバドルの女性収監者とほぼ同数になっているとされています。アメリカでは、売春を強要されていた13歳の少女たちは、警察に逮捕されると刑務所に入れられ、その苦しみを味わわなければなりません。しかし、こうした出来事は毎年1000人以上の少女たちに起こっている現実なのです。

 

アメリカにおける女性の収監率は、時代によって増減していました。1980年代と1990年代のこの数字は、それ以前と比較しておよそ3倍に膨れ上がりました。さらに現在では、20世紀のおよそ8倍に増加しています。

現在、アメリカではおよそ20万6000人の女性が刑務所に収監されていますが、これは女性10万人に対し127人ということになります。この状況の背景にある最大の要因は麻薬です。複数の報告によれば、アメリカの40以上の州において、麻薬を理由に、女性の収監率が、男性の収監率と比べて急激に上昇しているということです。現在、麻薬関連でアメリカの刑務所に収監されている女性は57%、男性は47%です。

 

アメリカでは残念ながら女性の収監者が増加

 

アメリカ・オハイオ州の関係者によれば、2014年7月の女性の収監者数が4160人に達し、過去最多を記録したとされています。また、オハイオ州当局は、「女性収監者数の増加のかなりの部分が、大麻の服用のほか、この薬物の移送に女性が利用されていることと関係している」と述べています。この統計に加えて、近年のアメリカでは、女性による殺人やスリ、密輸といった薬物以外の犯罪も、1960年代に比べて30%増加しています。

 

イランの女性問題の専門家、アーホンダーン博士は次のように語っています。

「西側諸国における女性の犯罪の増加は、最終的に前科や刑務所への収監となって、彼女たちの生活に好ましくない結果をもたらすことになる。例えば、アメリカでは14万7000人以上の子どもが、収監中の母親との面会のため、刑務所に足を運ぶことを余儀なくされている。また、妊娠中に収監されたり、あるいは収監中に妊娠する女性の多くは、身体の自由を拘束された状態での出産を強いられている」

「一方で、国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチの報告によれば、アメリカの刑務所に収監中の女性の少なくとも15%が、刑務官やその他の収監者から性的暴行を受けている。その結果は、心理的、社会的な悪影響にとどまらない。性的暴行を受けた後、日常生活に復帰するための十分なアドバイスを得るために、保健制度における複雑な過程を経ることは、社会にいる女性たちにとってきわめて過酷だ」

 

女性の犯罪率をめぐる現状は、アメリカのみに留まりません。ヨーロッパ諸国で集計されたデータからも、ヨーロッパの女性の犯罪は10年前と比較して20%から45%も増加しています。

これらの犯罪の中で最も重要なポイントは、犯罪者の40%以上が20歳未満の未成年の女子であるということです。スイスの新聞ブリックによれば、スイスに存在する風俗店の数は、ヨーロッパで最も多いとされています。このため、スイスの住民はこうした非道徳的な施設により、自分たちは侵害されていると感じているのです。

オランダの子供の権利団体の推計によれば、同国では未成年の売春婦が懸念すべき形で増加しており、特にこの数年で4000人から1万5000人に増加していると伝えられています。

また、イギリスのイングランドとウェールズ州での調査によれば、2006年以降、10歳以上の女子およそ6万人が窃盗や器物破損、暴行、傷害といった犯罪を起こしており、イギリスの犯罪発生率が25%上昇しています。

 

 

女性の犯罪が増加していることから、専門家や研究者はその原因究明と対策に乗り出しました。これについて基本的に注目されているのは、創造の法則に従って、女性に再び、特に母親としての義務への愛を感じさせることです。女性は、どこまでも女性であり、細やかな性質を持ち、子どもを生み、授乳する性です。母親としての大きな責務は、神聖なものです。フランスの外科医アレクシス・カレルは、母親としての責務から女性の関心をそらせてしまう事は論理的ではない、と考えています。

女性の犯罪に関する統計は、非常に衝撃的なものです。しかし、本来は天使のように優しく、人間性あふれる世界の愛とやさしさを具現するはずの女性が、現実には刑務所の片隅で、家族や子どもと離れ離れの生活を送っています。いったい誰が、女性に対するこのような横暴を許し、彼女たちを温かい家族から引き離して刑務所にいれ、法の裁きを受けさせようとしているのでしょうか?彼女たちはどのような女性で何をしたのでしょうか??この問題に関する判断は、おそらく今後の歴史にゆだねられることになるでしょう。

次回もどうぞ、お楽しみに。