4月 06, 2016 21:29 Asia/Tokyo

今週の金曜広場をお楽しみください。

(山口)さて、イランでは先日、春の新年ノウルーズの祝祭も終わり、お正月ムードも一段落しまして平常モードに戻ってきていますが、このノウルーズの期間中、中村アナはどのように過ごされましたか?

(中村)先日の芝田アナのインタビューでもお話ししたのですが、とにかく毎日人が来るか、だれかのお宅に年始回りに行っていたかで、ゆっくりするひまなどまったくありませんでした。人が来ても、うかがってもどちらも食事になるので、特に食事をふるまう番になると本当に大変でしたね。最後にうかがったおうちでは、前日、昼食と夕食に合わせて50人くらいの親戚が来ていて、それを見送ってから次の日の私たちにふるまう料理を準備したので眠ったのは朝の5時だったとおっしゃっていました。やはりお正月はイラン人にとっても大変なようです。

(山口)日本と比べて長いお正月休みも終わりまして、皆さん職場に、学校にとそれぞれの持ち場に戻り、新しいスタートを切っています。私どもスタッフ一同も気分新たに、また最近ウェブサイトのリニューアルという1つの節目をきっかけに、今後ともよりよい番組作りを目指して精進してまいりたいと考えております。新しくなったラジオ日本語のウェブサイトはもうご覧になっているかと思いますが、前と比べていかがでしょう?

(中村)画像が大きくなって、ぱっと目をひきますね。昔、放送したラジオ日誌や金曜広場はあまり入っていないようですが、昔のインターネットサイトもまだ更新されているので、以前同様見ることができるんですね。少しずつ移行していくのでしょうか。

●リスナーより

「1月17日は、阪神淡路大震災の21周年でした。このときの教訓が、トルコや台湾の地震援助や、東日本大震災の仮設住宅の早期建設や被災者救助で役立ちました。イランでは、地震対策にはどのようなものがありますか?」

●ラジオより

T・Oさん、お便り有難うございます。個人的な話で恐縮なのですが、阪神淡路大震災のときには、ちょうどイランにおりまして、日本で大地震が発生と言うニュースをイランで聞いて、すぐに国際電話で日本の実家に電話をした記憶があります。それから、あの東日本大震災のときには、何と地震発生の翌日のフライトで日本に一時帰国したんですよ。成田空港に着いてみたら、電車もバスも止まっていてタクシーしかなく、いつもならJRに乗ってのんびり自宅へ、のはずが相当に高いタクシー料金を払ってやっと自宅に着いたというのが、まるで昨日のことのように感じられます。これに対して、私はイランでは地震にあったのはこの14年間でわずか1回なんですよね。ですからつい、イランではそうそう地震はないだろうと安心してしまうのですが、実はイランも地震多発地帯にありまして、特にテヘラン周辺は活断層が走っているとのことです。ですから、私はあれから非常食用に缶詰などを買い込んだり、室内の家具などを壁に留める、落ちてきそうなものは高いところに置かないといった対策を一応はしています。ところで、イラン人が普通に行っている地震対策といえば、やはり、学校などで行われている避難訓練などでしょうか?

(中村) そうですね。東京のようにいつも地震が来ていればもう少し危機感を持つことができるのでしょうが、テヘランではあまり体に感じる地震が発生しないのでなかなか実感できませんね。学校では1年に一度、避難訓練がありますね。他はテヘラン市が非常用の食料やテントを市内のあちこちに備蓄しているという話を聞いたことはありますが、なかなか個人では難しいですね。ただ、家族がばらばらのときの対応の仕方は話し合っています。それくらいでしょうか。

(山口)やはり災害に遭遇してから「しまった」と言う、泥縄式ではなく、「備えあれば憂いなし」と言われるとおり、先手を打っておきたいものですね。

●リスナーより

「今日のラジオ日誌では、山口アナがテヘランの冬の風物詩ラブーについて書かれていましたが、日本ではサトウダイコンと呼ばれているとのこと。とても栄養価の高い素晴らしい食べ物のようですが、どのような味がするのでしょうか。番組で紹介していただければ幸いです」

●ラジオより

K・Oさん、お便り有難うございます。あのエンジ色のラブーの味ですが、私は個人的に、カブを甘くしたような味だと感じています。中村さんは食べたことはありますか?

(中村)ええ、冬によくいただきますね。冬になると道ばたで屋台のようなものが出てゆでたラブーが売られていますよね。あの匂い、何となくふかし芋のようだと思いませんか?味は、あっさり目の甘さで少しお芋のような香りがしますが、食感はゆでたかぶですね。カブや大根を煮たときのような独特の香りはないようです。

(山口)とにかく、イランには日本ではあまりお目にかからない食材が色々ありますよね。そのほかにも、地域独特の食材やメニューも沢山存在しているようです。やはりこれも、イランが地理的に多様性に富んだ国であることの表れではないかと思います。

●リスナーより

「IRIBの番組については、テロリストがイスラムを自称しているがゆえに、本物のイスラム教が偏見で見られていることへの懸念や、それをなくすために、イスラム教の正しい理解を呼びかけていることが、放送番組全体からよく感じられました。実は、私の知り合いにも日本人ですがイスラム教徒の方がいますので、こうしたことはとても重要だと痛感しています。その人自身は、IRIBのリスナーではないようですので、機会を見てIRIBの聴取を勧めてみようと思います」

●ラジオより

K・Tさん、お便り有難うございます。とても嬉しい内容のお便りをいただきました。私どもIRIBのスタッフは、1人でも多くの日本人の皆様に、まさにこのリスナーの方がおっしゃっていることをご理解いただけるよう、日々の業務に当たっています。願わくば、すべての日本人の皆様に、IRIBラジオ日本語をお聞きいただきたいくらいです。ですが、現状はと申しますと、インターネットの普及にもかかわらず、本当のイスラムやイランに対する一般の日本人の理解度はまだそれほど高くはないように思われてなりません。実は、先日私が日本に一時帰国した際に、私が以前に住んでいた地域のあるご年配の方に何年ぶりかでお会いしたのですが、その方から、「あなたが住んでいる国は爆弾でぼこぼこにされているのかと心配していた」と言われまして、こちらのほうがびっくりしました。どうやらその方は先ごろテロなどで話題になっているイランの近隣諸国と混同しているようでした。「イランは中東で一番安全な国ですよ」と言っても、なんだか腑に落ちない様子だったんですよね。中村さんも、日本に一時帰国されることが多いかと思いますが、最近の日本人の方はイランやイスラムについて、どんな考え方をしているのでしょうか?以前と比べていかがでしょうか?

(中村)まず、イランとイラクを混同する人が多いですよね。名前が似ているから仕方のないことなんでしょうけれど。イスラムに関してはやはりマイナスイメージを持つ人が多いですね。残念なことですが。どちらにしてもあまりなじみがないという点では共通しているようですね。

●北川アナウンサーの音楽コーナー

●リスナーインタビューコーナー

ゲスト;A・Nさん(静岡県浜松市ご在住)

聞き手;山口雅代アナウンサー

日本や世界の最新情勢について特に関心のある事柄、そしてBCLを今後も続けていかれる上でのご要望などについて、大変奥深いお話をうかがうことができました。そして、リスナーの皆様に対しても力強いコメントを下さっています。

1.A・NさんのBCLのご経歴、BCLを始められたきっかけなどについてお聞かせください。

―私は今51歳ですが…中学生の頃に友達から聞いて…遠くの国から…とっても浪漫を感じました。BCLブームの当時は短波ラジオも普通に売ってて…私の場合偶々家にラジカセがあって短波も付いていましたし電波状況も今より良かったので…国内中波も沢山聞えましたし南米やヨーロッパの日本語放送が聞えました。日本語放送を行ってる局も今より多かったです。

IRIBラジオ日本語を聴くキッカケは…導きに思います。

数年前の世界的反政府デモで知り合ったイスラム圏のツイッターの友人の呟きが凄く真摯で魅力的で…聴き始めました。彼等は凄く真面目で優しいです。本心で善いな!と思いました。

受信レポートは…ベリカードと言う響きが懐かしくてIRIBに送り始めました。日々の駄文を読んで頂ける関係者には本当に感謝です。もしかすると複雑な国際情勢解決手段として有用かも知れません。私は願いを込め書いてます。

2.現在の世界の情勢、あるいは日本の社会事情などで特に関心をもっていらっしゃる話題はどのようなことでしょうか?

―何事も…【一事が万事全てが其れ、今現在の自分自身の処遇】と言う事を知る必要性があります。遠い他国の出来事と違う事が年齢と共に解ってきて…特に弾圧を受け続けてるイスラム圏の反応が身近な事に思えます。

日本国内では企業や政治動向…特に沖縄辺野古米軍基地問題は民主主義最前線と言う目線で私は関心を持ち注目しています。様々な形で現地を知って欲しく思いますし行動に移す為の共感共鳴者が増えればと思います。

実際ツイキャスで有志が現地から配信してます。現地を支援してあげて下さい。他にも様々な社会問題が在ります。是非に皆様も関心を持ち参加して下さい。

3.インターネットやスマートフォンなどの普及により、BCLを取り巻く事情やその位置づけも大きく変化しているように思いますが、今後BCLを継続されていく上で、一番強く望んでいらっしゃることはどのようなことでしょうか?

―私はアマチュア無線も少し齧ってますが…BCL同様季節や国際情勢の影響をモロに受けます。

一般庶民目線での国際平和が実現しないと成り立たない趣味と思います。

電波の重要性に皆が注目し出来ればアマチュア無線の免許を取得してダイアル式の無線機で番組を聴いて頂けたらと思います。日本国内では講習会で簡単に免許が取れますし第4級は18歳以下なら受講費用の割引もあるようです。

ダイヤル微調整やモード切替で聞える事もありますし地域参加しながら自分でも発信し相互に受取る姿勢を磨く事は重要と思います。

是はラジオに全般についてですが…一般庶民目線で何時迄も身近なモノで居て欲しいですね。

今回【私の処にイラン国営放送からインタビューの依頼が来た!】と言っても殆どの人が信じてくれませんでした。私自身今迄メディア出演を避け続けてきた現実はありますが…コレ国際放送なのですよね。(笑)本当に驚いてます。

人と人との輪を大切に繋いでいくもの…IRIBではホッと出来る【金曜広場】も大好きです。

4.全国のリスナーの皆様に向けて一言メッセージをお願いいたします。

一言で済まない位大切な事が本当に沢山ありますが…(笑)先程も述べましたが…先ず相手発言を【冷静に聴く姿勢】を持って欲しい!と思います。

一般的に発言主は発言主目線で正しいと思う事を話します。真意を掴む事です。

勿論私も意見を持ち発言しますが…何故?と言う相手側発言意図が紐解けないと建設的対話は絶対無理です。何事も同様かも知れませんが特に海外放送の場合絶対に忘れては駄目な事…私達への愛の言葉… 愛の反応…愛の処方…と言う目線。価値観を感じる姿勢は常に持ち続けたいと私は思います。そして【正義】と言う単語に絶対に騙されないで欲しいと私は強く思います。

何故?正義の結果が現在。本当に多くの人が今も苦しんでます。常に何故?と問い続けて下さい。【正義】と主張しても何も生み出せません。殺すぞ!と相手に宣言以外の意味はありません。論理的かつ建設的対話で皆に善い方向性に向け前進しか道はありません。

価値観の違う相手の文化を全力で受取るBCLは実際に役立つ有意義な趣味と私は思います。イスラムを感じる…そう言う意味でもIRIBラジオ日本語は大変魅力的な素材に思います。

―有難うございました。今後とも貴殿からの受信報告を心よりお待ち申し上げております。