2014年セヴォル号事件以来の大惨事受け、複数のイベント中止など衝撃大

韓国・ソウルの繁華街、梨泰院で２９日土曜夜、ハロウィーンイベントに押し寄せた多数の人が転倒して２２０人以上が死傷者した事故は、死者・行方不明者３０４人を出した２０１４年の旅客船セウォル号沈没事故以降、韓国で起きた最大規模の惨事となりました。

事故発生の当日は、新型コロナウイルスの流行に伴う行動規制の大半が解除されてから初めてのハロウィーンの週末とあって、夜になっても手の込んだ仮装姿の若者を中心に、数万人が繰り出していました。

しかし、ソウル都心でこうした大事故が起きた例は非常に少ないとされています。　

ロイター通信によりますと、目撃者らの話では、警察は現場の統制が取れず、群衆はパニック状態に陥ったとされています。

SNSに投稿された映像には混乱した現場の様子が写っており、坂道になった狭い路地ですし詰めになった人々を救急隊員や警察が引き離そうとしています。

梨泰院地区は「韓国の六本木」とも評され、かつて米軍駐屯地が隣接し、バーやクラブが軒を連ね、外国人も多く訪れるソウル屈指の人気スポットですが、大通りの両側の地区は曲がりくねった急坂の路地が入り組んでいます。

韓国ヨンハプ通信によりますと、今回の事故を受け、韓国・ソウル近郊、竜仁にある国内最大のテーマパーク「エバーランド」は３０日、全てのハロウィーンプログラムを中止すると発表しました。

さらに南部・釜山市も同日、この日夜に開催予定だったアジア最大級の韓流イベント「釜山ワンアジアフェスティバル（ＢＯＦ）」のＫ―ＰＯＰコンサートの中止を決定したということです。

また複数の韓国メディアが、安全管理にあたる警察や自治体の対応を批判していて、今後、確実にその責任を追及されると見られています。

こうした中、ユン・ソクヨル韓国大統領は30日午前、事故現場を視察するとともに、国民向けの談話では「国政の最優先順位として、今回の事故の収拾にあたる」と明らかにしています。

また現地警察は災難（災害）対策本部を立ち上げ、犠牲者の身元の確認とともに事故現場の捜索に総力を挙げるということです。

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