韓国大統領室関係者、「2月の尹大統領訪日はない」
韓国の大統領室関係者は30日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の訪日について「来月に日本を訪問する計画はない」としました。
韓国のヨンハプ通信によりますと、一部では尹大統領が2月に訪日する可能性が取り沙汰されていましたが、徴用問題を巡る協議を続けるとともに、徴用被害者の説得など国内の世論を取りまとめることにもう少し時間がかかることから、見送られたとみられます。
別の大統領室高官も、3月1日前の韓日首脳会談の開催を懐疑的にみており、「被害者ももう少し説得し、日本ともさらに交渉する部分がある」と述べています。
韓国と日本の首脳は、平昌冬季五輪と韓中日首脳会談が開かれた2018年を最後に、互いの国を訪問していません。
徴用問題の解決策を巡り、韓国政府は、政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が韓国企業など民間から寄付金を募り、日本企業の賠償金を肩代わりする方策を有力案として示しており、日本側に対し、「誠意ある呼応」を促しています。しかし日本側は、求償権の放棄問題にも言及し、財団が肩代わりした賠償金の返還を求める権利を放棄するなどの、文在寅(ムン・ジェイン)前政権での慰安婦合意の破棄のようなことが繰り返されないような担保措置を要求しているとされ、両国の溝はまだ埋まっていません。
韓国政府は日本側と協議を続けながら、被害者を説得する作業に注力するとみられ、会談が実現した際には、日本の対韓輸出規制の解除や、GSOMIA軍事情報包括保護協定の正常化などが、一括解決されることも期待されています。
韓国大統領室の高官は一方で、「ピッチを上げなければならないが、現時点では楽観も悲観もできない」として、「いろいろな選択肢を検討している」とも述べていました。