核兵器獲得を望む韓国
韓国が核兵器の獲得を考えていることは、複数の報道が示す通りであり、核兵器のない世界を目指す世界の努力とは相反するものとなっています。
韓国政府は核兵器獲得の理由として、北朝鮮に対する抑止力強化を挙げています。しかし、批評家らはその主な理由を、アメリカが中国に圧力をかけることを最終目標に韓国を煽っているためだと見ています。
韓国が、アメリカとの幾度にもわたる共同演習を実施し、ミサイルおよび兵器製造分野での活動増加、NATO北大西洋条約機構の往来・会合増加と同機構本部への自国代表部設置といった措置で、特にこの1年で軍事活動を増やしていることから、同国が掲げる理由については多方面から疑いの目が向けられています。
韓国は、これらすべての活動の理由は北朝鮮への抑止力強化だと主張していますが、同国は東アジアにおけるアメリカの主要な同盟国の1つであるため、アメリカが韓国の軍事力を強化し東アジアにおける中国への圧力として使おうと望んでいることがその裏側にあると、大いに考えられます。
イルナー通信によりますと、韓国の保守系与党「国民の力」の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)党首は、北朝鮮が今月18日の長距離大陸間弾道ミサイルの発射に続き、今週にも日本海へ2発の短距離弾道ミサイルを発射した後の20日月曜、北朝鮮からの軍事挑発が続く場合、我が国は核の力を強化する必要があるとしました。
チョン氏は党会合において、「(ミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃する)『キルチェーン』の戦略強化を含めて、北朝鮮の敵対姿勢に対する抑止力を高める必要がある」と述べています。
韓国国内でこのように核兵器の重要性が語られる一方、同国の朴振(パク・ジン)外相は今2月4日、アメリカのブリンケン国務長官との会談後に行った共同記者会見で、「核兵器廃絶のない平和は、偽りの平和だ」と述べています。
他方で北朝鮮外務省は先日、「朝鮮半島を大規模な兵器庫にしてより危険な紛争地帯に変えるのが、米国の描くシナリオである」と警告しました。