中国首相に李強氏が選出

中国の国会に相当する全国人民代表大会では１１日、習近平国家主席の長年の側近、李強氏（６３）が首相に選出されました。

米ＣＮＮによりますと、 全人代はこの日午前、首都・北京にある人民大会堂でほぼ形式的な投票を実施しました。投票結果は賛成２９３６票、反対３票、棄権８票でした。

李氏は習氏が最も信頼を寄せる腹心の一人で、２０１３年から習指導部のナンバー２を務めていた李克強前首相の後任となります。

伝統的に首相職は経済のかじ取りを担う要職ですが、習氏はほぼ全ての意思決定を自らの手で行っており、その力は損なわれています。

それでも、新首相の取り組みの大半は中国経済の立て直しに充てられる可能性が高く、先ごろ設定されたＧＤＰ国内総生産の成長率目標は５％前後と、ここ数十年で最低水準にあります。

中国の住宅市場は歴史的な減速期のただ中にあるほか、個人消費は低調で、若者の失業率は高止まりしています。地方政府は多額の債務を抱えており、経済の立て直しは簡単な仕事ではなさそうです。

李氏は東部・浙江省生まれで、灌漑ポンプ場の作業員としてキャリアを歩み始め、寧波市の大学で農業機械について学んだ後、省の官僚機構で徐々に出世しました。

２００２年から０７年にかけて習氏が浙江省の党トップだった際、事実上の首席補佐官の役割を務め、キャリアが飛躍しました。

専門家によると、国務院（内閣に相当）で副首相を務めた経験のない人物が首相になるのは、毛沢東の時代以来だということです。

ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。