北朝鮮、「米韓への核反撃想定の戦術訓練を実施」
(last modified Mon, 20 Mar 2023 09:19:27 GMT )
3月 20, 2023 18:19 Asia/Tokyo
  • 北朝鮮のミサイル発射
    北朝鮮のミサイル発射

北朝鮮は、今月18〜19日に同国の戦術核運用部隊が「核反撃仮想総合戦術訓練」を行ったと発表しました。

韓国ヨンハプ通信および日本の報道各社が、北朝鮮のKCNA朝鮮中央通信の報道を元に報じたところによりますと、北朝鮮は現地時間の19日午前11時5分ごろに同国北西部の平安北道・東倉里付近から、朝鮮半島東の日本海(韓国側名称;東海)に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射しました。このミサイルは約800キロ飛行して日本海に落下したということです。

2日間にわたるこの軍事演習は、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記が指揮しており、娘と共に演習を視察したということです。

この演習は、核による反撃を想定して行われ、模擬の核弾頭を搭載した弾道ミサイルも発射されました。

このミサイル発射は、米韓軍事演習に対する北朝鮮の威力を誇示したものとされ、この1週間で4回目です。

また、キム総書記はこの訓練に満足の意を示すとともに、「戦争を抑止するため、北朝鮮はいつでも核攻撃が可能な態勢にあるべきだ」と述べました。

ロイター通信によりますと、キム総書記は20日月曜朝、アメリカと韓国に対する抑止力のために、いつでも核攻撃を実行する準備を整えるよう求めました。

キム総書記はまた、米韓は核能力の強化も含め、「北朝鮮を狙った」合同軍事演習を拡大していると表明しました。

KCNAはまた、キム総書記のメッセージを発信するとともに、「北朝鮮は核戦術演習を実施し、米国とその同盟国に強力なメッセージを送った」と報じています。

北朝鮮は、今月16日にもICBM大陸間弾道ミサイル級のミサイル1発を発射しており、弾道ミサイルの発射は今年に入ってから7回目のことです。また、北朝鮮が発表した戦略巡航ミサイルを含めると、ミサイル発射は9回目となります。

これらの軍事訓練とミサイル発射は、11日間にわたる米韓海上合同軍事演習と同時に実施されました。北朝鮮は、地域での米国の合同演習を脅威と見なしており、常に警告を発しています。

こうした中、アメリカ、韓国、日本の特別代表は19日日曜、北朝鮮による弾道ミサイルの発射を非難し、北朝鮮のこの行動に対する国際社会による「一致した対応」を求めました。

この3カ国の代表者らはまた、北朝鮮に対する軍事的態勢を維持し、対北朝鮮安全保障協力を強化することでも合意しています。

北朝鮮は常に、アメリカが北朝鮮の現体制転覆を狙った敵対的な政策をやめない限り、自らの核・ミサイル計画を放棄しないと表明しています。

 


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