韓国首相が処理水巡り「科学的討論」訴え、「水産関係者の命かかっている」
9月 05, 2023 22:32 Asia/Tokyo
韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相が、福島原発の処理水をめぐり「科学的討論」を訴えました。
韓国ヨンハプ通信によりますと、ハン首相は5日火曜に韓国国会で行われた政治分野の対政府質疑で、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に野党などが強く反発していることについて、「これは単純な政治議題ではなく、水産関係者100万人の命がかかっている問題」とし、「政界が科学的に討論し協力してこそ100万人の生活が保障される」と訴えました。
また、「米国、英国、EUなどはIAEA国際原子力機関がモニタリングしている放出システムについて科学的かつ合理的だと評価している」と強調しました。
そして、前日にソウル市内の可楽洞農水産物総合卸売市場を訪れたことに言及し、「多くの水産関係者は政界が(汚染水の海洋放出を)しっかり科学的にみて、偽ニュース、扇動によって被害を受けないよう求めた」と述べました。
加えて最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が「核汚染水不法海洋投棄」と主張していることに関しては、「まず定義が間違っている。『核汚染水』ではなく『科学的に処理された汚染水』」と強調しました。
さらに、「来年度の予算案に数千億韓国ウォン(1000億ウォンは約110億円)の処理水対応関連予算が反映された」との野党議員の指摘に対しては、「政界が科学に基づいて議論するならその予算は要らない」として、「(野党などが)偽ニュースを拡散すれば数千億ウォンも足りないかもしれない」と反論しています。