米当局、「北朝鮮がバイデン政権発足後初の兵器実験を準備中の可能性」
米国の情報当局が、「北朝鮮がバイデン米政権発足後初となる兵器実験の準備を進めている可能性がある」としました。
CNNが米ワシントンから報じたところによりますと、複数の米当局者が匿名希望で、17日水曜までにCNNに明らかにしたところでは、これらの当局者が警戒を強める背景には、米韓両軍が行う合同軍事演習や、ブリンケン米国務長官とオースティン米国防長官による日韓への外遊などが指摘されているということです。
米国防総省の報道官は、北朝鮮に関する声明の中で「諜報(ちょうほう)にまつわる事柄にはコメントしない」としつつも、「北朝鮮は弾道ミサイルと大量破壊兵器の開発を継続しており、米国の国益並びに同盟国の安全保障に対する脅威となっている」とコメントしました。
また米当局の高官の1人は、「北朝鮮は、最近のブリンケン氏とオースティン氏によるアジア外遊の結果を検証した上で、兵器の実験を行うかどうかを判断するのではないか」との認識を示しています。
米当局者らは具体的な最新の情報は開示しなかったものの、起こりうるシナリオとして、昨年3月が最後となっている北朝鮮によるミサイルまたはロケットのエンジン試験の実施の可能性に言及しました。
この数日、米情報当局は北朝鮮・平壌近郊の山陰洞にあるミサイル関連施設での車両の動きを注視しています。
この問題に関して、米シンクタンク、ヘリテージ財団の上級研究員を務めるブルース・クリングナー氏は「北朝鮮は従来、ある種の強力な挑発行為を米韓で新政権が発足した早い段階で実施してきた」と指摘し、国力でまさる米韓2カ国から譲歩を引き出す狙いがあるとの見方を示したうえで、「歴史が示唆するところによれば、バイデン政権発足後の数カ月以内に何らかの行動を起こすだろう」「挑発行為に踏み切ったとしても、完全に想定内だ」との見方を示しました。
北朝鮮と米国の両首脳は、2018年にシンガポールにて、アメリカの制裁解除を見返りとした大枠での北朝鮮の核軍縮協定に調印しましたが、これはまだ実施されていません。
その後、トランプ前大統領とキム・ジョンウン総書記は、南北朝鮮の軍事境界線地帯およびベトナムで会談しましたが、アメリカが北朝鮮に対する約束を履行しなかったため、この協議は物別れに終わっています。
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