視点
イランのサッカー試合開催権剥奪、疑惑あふれるAFCの決定
2022年のサッカー・カタールW杯の予選および、AFC・アジアサッカー連盟主催のアジアチャンピオンズリーグのグループ予選の開催国にノミネートされていたイランのナショナルチームとクラブチームが、AFCの無関心と政治的な決定により、これらの試合の開催権を剥奪されました。
しかし、この決定はAFCに加盟する多くのクラブチームやサッカー協会、スポーツ関係者の強い抗議を受けています。
AFCは今月12日、イラン・ナショナルチームが割り当てられているカタールW杯2次予選Cグループの予選の開催権を、正式にペルシャ湾の小国バーレーンに委譲しました。AFCはイラン・サッカー協会に対し、書簡をもって、AFCの試合の開催権がイランから剥奪され、イラン代表クラブチームであるペルセポリス、エステグラール、フーラード・フーゼスターンおよびシャフレホドローの4チームは、自らのホームでの試合を第3国で行わなければならなくなります。
イランのソルターニーファル・スポーツ青少年大臣は、AFCのこの決定を、政治的でスポーツに反した、違法な対イラン制裁というパズルの一部だとしました。
また、「試合の開催はイランの権利である」と強調し、「これに関してFIFA国際サッカー連盟のインファンティノ会長および、シェイフ・サルマーンAFC会長と書簡でやり取りした」と語りました。
ハティーブザーデ・イラン外務省報道官も、「イランからの試合開催権剥奪というAFCの決定はスポーツ的ではなく、政治的なものだ」とし、「スポーツ外交の成功に向けて全力を尽くすつもりだ」と述べています。
法規範上、イラク、バーレーン、香港は、カタール杯のグループC予選のアウェー戦をテヘランで行うことになっていたことから、集中的な開催という形での開催権の要求は、イラン・サッカーの当然の権利ということになります。
しかし、バーレーン人であるシェイフ・サルマーンAFC会長は、公然とした規律破りという形で、イランを脇に押しやり、グループCの試合の開催国をバーレーンと発表しました。
こうした中、AFCグループリーグ出場が決定しているイランの3つのクラブチーム(エステグラール、トラクトール、ペルセポリス)のうち、試合を開催できる可能性を持っていたのはペルセポリスでした。AFCの責任者らは、こうした可能性を無視し、過去の経験や試合の質の面でイランには遠く及ばないインドを、グループEに入っているほかの国よりも適切と判断しました。
さらに、見逃してはならないもう一つの点として、サウジアラビアにイランのチームが出場しないことをAFCが無視し、2つの協会間の考慮事項に関係なく、エステグラールが属するグループ戦の開催権をサウジアラビアのアル・アハリーFCに与えたことです。
過去の歴史は、イランが空虚な口実によりアジアおよび国際的なスポーツ機関の設けた制限や剥奪措置に直面していることを示しています。
明らかなことは、各国にはクラブチームの試合の開催権を含むスポーツ上の権利があり、この権利を政治的決定によって無視することはできません。そのような決定は、文化、社会、経済、政治面での影響をもたらし、責任ある機関に対する国やスポーツ界の信頼が失われることになります。
疑いなく、今回の決定においては、特にイラン排斥プロジェクトを伴う地域諸国の世論操作が存在していると言えます。こうした一連の条件は、AFCの決定が発表された言い訳をも超越していることを示しています。AFCは実際、サッカーというスポーツ界でのイランの役割や位置づけを無視し、イランから試合開催権を剥奪して現実を真逆に提示することでの心理戦を追求していることになります。このような政治的な行動は確実に、世界レベルでのスポーツ界・環境でのマイナスの反響や心理的影響をもたらすと思われます。それは、地域の一部の国の戦略の影響下におかれたスポーツ機関への政治的影響力の表れだからです。国際的なスポーツ機関の法令に定められた平和と利他主義の普及に反して、そのような決定を下すための地域のいくつかの政権の介入は、1つの規則破りにほかなりません。したがって、イランはIOC国際オリンピック委員会に所属するCASスポーツ仲裁裁判所にAFCを提訴し、この問題を追及する権利を持つことになります。
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