韓国国会調査、「日本の処理水放出で汚染水が少量流入する可能性」
韓国の国会立法調査処が、日本政府が東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出を実施した場合、朝鮮半島東側の東海に影響が及ぶ可能性があるとする分析結果を出しました。
韓国・ヨンハプ通信がソウルから報じたところによりますと、28日水曜に出されたこの分析結果は、国会立法調査処が最大野党「国民の力」のイ・ジュファン議員の要請により作成したものです。
福島原発汚染水が海洋放出された場合の国内外における被害規模予想に関する資料によりますと、海流が通常通りであれば、太平洋や米ハワイ、北米大陸が最も大きい影響を受けるが、海流がぶつかるなどして朝鮮半島や東海にも少量の汚染水が流入する可能性があるとされています。
また、予想される被害規模に関しては、「季節やそれにともなう潮の流れ、放出量と汚染水の濃度、原発からの距離、気象状況など多様な要素により大きく変わる」とし、「具体的な被害規模を予想するのは難しい」と述べられています。
さらに、「日本産水産物を輸入しないとしても、監視システムの不備で(日本の水産物が)国内市場に入ってくる恐れがある」とし、「この場合、トリチウムが水産物を通じてOBT有機結合型トリチウムに変わり、これが人体に及ぼす長期的な被害については正確に確認できていない」としています。
また立法調査処は「日本が分析のベースになる資料を公開していない」とし、どのような放射性物質がどの程度放出されるのか信頼できる情報がなく、被害予想が難しいと指摘しました。
イ議員は「わが政府が汚染水の放出を容認するような姿勢を示すなどし、国民の不安を助長している」とし、「政府は太平洋に隣接した国々との協力を強化し、日本に共同調査や関連資料提供の要求を必ず認めさせなければならない」と強調しました。
これに先立ち、韓国外務省は27日火曜、日本政府が東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出を決めたことに対応するための公館長会議をテレビ会議形式で行い、会議にはチェ・ジョンムン第2次官や太平洋沿岸国の公館関係者らが出席し、太平洋沿岸国を中心とする国際社会との連携強化などについて議論がなされました。
チェ第2次官は同日にオンラインで開かれたUNESCAP国連アジア太平洋経済社会委員会の総会でも汚染水の海洋放出問題を提起し、日本の決定がアジア太平洋地域の海洋環境に重大な被害を引き起こす可能性があることを指摘しました。
また、海洋放出と関連して周辺国に対する十分な科学的根拠の提示や事前協議、情報共有が必要であり、IAEA国際原子力機関の検証に利害関係のある当事国の専門家が参加することを保障しなければならないと強調しました。
日本政府が東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水を海洋放出する方針を決めたことを受け、韓国政府は同問題に国際社会が関心を向けるよう外交努力を続けています。
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