中国テニス選手の告発に政府は沈黙、消息不明に懸念の声
中国女子テニスの彭帥選手(35）が中国の前副首相から性的関係を強要されたと告発した問題で、同国政府が15日月曜も沈黙したままとなっています。
フランス通信が16日火曜、報じたところによりますと、WTA女子テニス協会は前日、四大大会（グランドスラム）のウィンブルドン選手権と全仏オープンの女子ダブルスで優勝経験を持つ彭選手の告発内容について、「検閲のない、徹底的かつ公正、透明な調査」を求めると発表しています。
WTAのスティーブ・サイモン最高経営責任者（CEO）は、同選手をめぐる一連の出来事に「深い懸念」を示し、告発に関して「厳粛に対処」するよう呼び掛けました。
サイモンCEOは米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「CTA中国テニス協会など複数の関係筋から、彼女の無事と、身の危険にはさらされていないという確認を得ている」と説明していますが、彭選手の安全に関しては、男子の世界1位ノバク・ジョコビッチ（セルビア）ら現役プレーヤーのほか、元選手からも懸念が示されています。
女子ダブルス元世界1位の彭選手は先日、張高麗前副首相からレイプされたと中国版ツイッターの微博で訴えた後、中国のインターネットとSNSから告発内容の詳細を削除されました。
主要ポータルサイトでは現在、2人の名前を検索してもヒットしない状態が続いており、彭のアカウントには直リンクからアクセスできるものの、微博上でアカウントを調べても出てこない状態となっています。
中国外務省の趙立堅報道官は、膨らみ続ける疑惑に関する質問に「その件については聞いていない」と回答した上で、「これは外交問題ではない」とし、それ以上のコメントを差し控えています。
なお、セクハラ告発運動「#MeToo（私も）」が中国共産党の上層部に及ぶのは初めてのことです。
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